いま何が起こっているのか?

3.11以降のことを原発・放射能の影響・エネルギー問題などの記事を記録している

原発賠償の追加費用、国民負担に 経産省案  朝日新聞デジタル 11/12(土) 8:22配信

国民に原子力の危険を伝えず、

発電のシステムを選ばせることもなく

事故が起こり生じた負債をすべて結局、

国民に背負わせる…

 

いつからこの国は専制君主的な民主主義を手放したのだろうか?

原発賠償の追加費用、国民負担に 経産省
朝日新聞デジタル
 11/12(土) 8:22配信


 経済産業省は11日、東京電力福島第一原発事故の被害者に払っている賠償費について、新たに発生した費用の一部をより多くの国民に負担してもらう制度案を有識者会議に示した。大手電力に払う送電線使用料に上乗せする手法で、廃炉費についても同様の議論が進んでいる。年内に固め、来年の通常国会での法案提出をめざしている。

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 経産省はこれまで、福島事故をめぐる費用を総額11兆円(廃炉費など2兆円、賠償費など9兆円)と見積もり、うち賠償費に限ると5・4兆円と見込んでいた。お金は国が出資する「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が一時的に立て替え、東電を通じて被害者に支払われている。あとで東電と大手電力が、利用者から集めた電気代などから返す仕組みだ。

 だが、経産省の内部資料によると福島事故の賠償費は約3兆円、廃炉費は約4兆円膨らみそうだ。このため、会議は新たな追加費用をだれにどう負担してもらうか議論をしてきた。

まず、今まで嘘をついていたことを謝罪しなければ経産省の提案に納得するこくみんはいないのではないだろうか?

 

東京電力福島第一原子力発電所のことは、2011年3月11日の東日本大震災における大津波被災での事故以降、何らか報道されなかった日はない。

今年9月16日のテレビ朝日・ANNニュースでは、「"国民負担"8兆円超を検討 原発の廃炉・賠償で」と題する報道が放送された。趣旨は次のようなもの。

--- 政府は、原発廃炉費用などのために新たに8兆円余りを利用者に負担させる
--- 福島第一原発廃炉4兆円、賠償3兆円、今後の廃炉費用不足分として1.3兆円
--- 標準家庭では毎月60円から180円の値上げが想定
--- 今後費用が足りなくなれば上乗せができるよう法改正へ
--- 原発が安いというのは嘘だった、という批判は避けられそうにない

この"8兆円"という数字は巨額。だが既に、それ以上の負担を我々国民は強いられてきた。

震災による福島第一原発事故以来、日本国内の原発は、定期検査などで停止した後、殆ど再稼働していない。だから、原発停止分の発電電力量を火力発電の焚き増しにより大方代替してきたのだが、その分の追加燃料費は2011年度から2015年度までで14.4兆円にも上っている(資料1、資料2)。

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あの事故による経済社会的な衝撃を考えれば、日本の政治や行政が福島第一原発以外の原発再稼働に関して過敏なくらいに慎重な姿勢になっている気持ちは理解できなくもない。

今の政府方針は、『新規制基準に合格したと原子力規制委員会が認めたものに限って再稼働させる』というものだが、一応、国民全体に浸透した感じもある。

しかし、これは実は異常な規制運用。

今の日本では、九州電力川内原発1・2号機や四国電力伊方原発3号機など一部を除き、いわば"原発全基停止"のまま。(更に、関西電力・高浜原発3・4号機は、いったん再稼働したのだが、地方裁判所の仮処分などにより再度停止。この司法判断に関する評価は別途の場でする。)

因みに、川内原発を巡って最近、"珍事"が起こった。

今年7月10日の鹿児島知事選で当選した現・三反園訓知事が九電に対して川内原発の即時停止などを求めたのだ。時系列的に追ってみると、
①8月26日、三反園知事は、九電・瓜生道明社長に川内原発を即時停止・再点検し、避難計画に支援することを要請、
②9月5日、瓜生社長は、即時停止の拒否、特別点検の実施、避難用福祉車両の十数台の追加配備などを盛り込んだ回答書を提出、
③9月7日、三反園知事は、瓜生社長に再要請、
④9月9日、瓜生社長は、即時停止の拒否、特別点検の実施、避難対策の強化(避難道路に繋がるアクセス道路の改善や、30キロメートル圏内の要支援者避難用の福祉車両を更に十数台追加配備することなど)を回答、
⑤三反園知事は、この対応を評価し、再々要請は行わない模様。

三反園知事のこうした行動は、反原発勢力の人々に過剰な期待を抱かせた後、結局は落胆させただけではないのか。

案の定、"即時停止"を強制することはできなかった。知事には原発を稼働させたり、停止させたりする権限はない。また、原発は安価安定な電気を大量に供給する電源であり、その停止は、電力会社の経営に痛手というよりは、地域や消費者に取って経済的にも社会的にも大きな痛手となることの方が深刻となる。

いずれにせよ、今回の三反園知事の行動は、原発問題が、権限のない政治家の政治パフォーマンスとして利用されやすいものであることが改めて浮き彫りにしたものと言える。

話を戻す。原発事故経験の先輩格である米国(1979年3月、TMI原発事故)や旧ソビエト(1986年4月、チェルノブイリ原発事故)では、事故炉の処理と並行しながら、事故炉以来の原発は通常稼働を継続してきた。

日本の"原発全基停止"は、米ソ両国の原発事故後の安全対策に関する政策運営の経験からしても、異常極まりないことなのだ。

火力発電所で事故が起こっても、他の火力発電所が停止に追い込まれることはないし、再稼働するのに直ちに大きな条件を課させることもない。航空機事故が起こっても、他の航空便が欠航することはない。

交通事故が起こっても、車を運転するな!とはならない。もちろん、事故を踏まえた規制強化への対応は必須だが、それには何年かの猶予期間が必ず設定される。

こうした国際的にも常識的な規制運用を採ろうとしない日本政府。不安を煽り続けるマスコミ報道に翻弄されながら、昨年度までで既に14.4兆円もの国富が流出してしまった。

冒頭のテレビ朝日もそうだが、多くのマスコミには、こうした事実を積極的に報じようという姿勢は見られない。与野党の殆どの国会議員も同じ。日本全体が、"発電するのは危険、停止していれば安全"との根拠のない呪縛に囚われている。

米ソ両国の前例と同じような政策運営をしていれば、14.4兆円の国富流出はなかった。冒頭の報道にある"国民負担8兆円超"があるとしても、2015年度末までだけでも6兆円以上の国富流出が防げていた。

"原発が安いというのは嘘だった、という批判は避けられそうにない"などという言い方は、マスコミがしばしば使うフレーズの典型。だが、日本政府が国際的にも常識的規制運用さえしていれば、『原発が安いというのは嘘ではなく、真だった』となる。数字は嘘をつかない。

ところで、福島第一原発事故は、発電中の事故ではなく、停止中の事故である。この事実を認識している人は、果たしてどれほどいるだろうか?

あの震災の日、福島第一原発(全6基)では、1~3号機は運転中、4~6号機は定期検査のため停止中だったが、14時46分に発生した大地震を受けて運転中の3基は全て自動停止。その後、非常用ディーゼル発電機が起動し、原子炉の安全維持に必要な電源が確保されたが、更にその後に襲来した大津波によって1~4号機へ供給する冷却電源を喪失し、冷却機能が失われた。

これにより原子炉の圧力容器内の水は蒸発し続け、水面から露出した燃料棒の表面温度が放射線エネルギーの熱変換で生じた崩壊熱により上昇したため、燃料棒の表面が圧力容器内の水蒸気と反応して大量の水素が発生。格納容器の損傷部から漏れ出た水素は、原子炉建屋上部にたまり、何らかの原因により引火して1号機、3号機、4号機がそれぞれ水素と酸素が急激に反応して爆発的な燃焼を起こす水素爆発を起こした。
 
これが福島第一原発事故の一連の顛末。福島第一原発は被災プラントであり、致命的な破損をした1~4号機だけでなく、軽微な破損だけだった5号機と6号機も、発電を再開することなく廃炉が決まった。福島県の地元感情などを考えれば、仕方ないことかもしれない。

安倍晋三自民党現政権は、「いかなる事情よりも安全性を最優先し、原子力規制委員会によって新規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原発の再稼働を進める」とし、再稼働に当たっては「国も前面に立ち、立地自治体などの関係者の理解と協力を得るよう」取り組む方針を示している。

問題は、再稼働について「原子力規制委員会によって新規制基準に適合すると認められた場合」に限っていること。これが、今の日本社会への多大な実害となって現れている。福島第一原発事故の教訓は、冷却電源喪失による核燃料の安全管理面での機能不全。稼働中だろうと停止中だろうと、核燃料の安全管理に万全な対策をとることが福島第一原発事故の最大の教訓であり、発電を停止させ続けることが安全維持に資するわけではない。

私は過日、米国の原子力規制委の委員長経験者ら3人と個別に懇談する機会を得た。その際、彼らは日本が福島第一原発事故後に国内原発を全基停止したことや、新規制基準の全てに適合していなければ発電再開を許していないことに大きな疑念を示しながら、早期の発電再開を強く進言してきた。曰く、次の通り。

原発の安全とは、停止状態によって得られるものではなく、稼働しながらそのスキル、ノウハウを身に着けるものだ。
1979年にTMI原発事故を経験した米国も、86年にチェルノブイリ原発事故を経験した旧ソ連も、当時国内の他の原発は通常通りに稼働させていたのだが、日本はなぜ事故を起こしていない原発まで停止させているのか?

原発は、自分の始末に要する資金を自分でためる長期事業なのだ。徒らに停止させ続けることで、原子力技術者の人材が育たなくなる方が、将来的な安全性の確保に支障を及ぼす。原子力安全は、廃炉が完了するまで確保されなければならない。

そこで一つ提案をしておきたい。政治的にはそう簡単ではないかもしれないが、技術的には発電再開が十分に見込める福島第二原発柏崎刈羽原発に係る今後の活用方法を考えたい。それは、福島第二原発柏崎刈羽原発をフル活用することにより生じる収益を、福島を始めとして全国的に還元すること。

端的に言えば、福島第二原発廃炉までの間、全4基のフル稼働により年間最大5000億円程度の収益を生み出す。柏崎刈羽原発(1〜7号機の全7基)について、同様の試算をすると、年間最大1兆円程度の収益を生み出す。

これらの収益分については、将来の廃炉費用に充てる分の他に、
(1)福島第一原発廃炉や汚染水対策、
(2)福島県内の再エネ関連投資費用や再エネ賦課金の肩代わり費用、
(3)福島県内の電気料金値下げ原資
などに優先的に活用すれば、福島支援にも大きく貢献できるはず。

原発を正しくやめるためには、円滑な廃炉や地域への貢献を進めていく上で必要なヒト・モノ・カネを周到に準備することが不可欠だ。

万が一の事故に対する地域住民の避難計画の早期策定や、過酷事故時の的確な国家賠償制度の創設に関する検討と並行して、
(1)新規制基準の適用に5~10年程度の適切な猶予期間を設け、
(2)原子力規制委の審査前であっても審査中であっても、早期の発電再開を容認することにより、
(3)安全投資のための資金を原発事業でしっかりと確保させながら、
(4)将来必ず行うべき円滑な廃炉による安全な脱原発へと軌道を回復させていくこと

が緊要である。

少子高齢化に伴う社会保障コスト増に対応するための消費増税(8%→10%)は、年間5.2兆円の国民負担増。これについては、増税延期を掲げた安倍政権・与党が先の参院選で大勝した。つまり、国民は年間5.2兆円の負担増を嫌い、あっさり否定した。

ところが、原発停止で必要な追加燃料費の年間3兆円前後で、それに再エネ普及費を含めると、既に年間5兆円を超えるエネルギーコスト負担増となっている。

だが、これについては、国会筋からも、政府筋からも、マスコミ筋からも、今も殆ど反対の声は聞こえてこない。震災以降の日本国内では、国民どうしが原発賛否を巡って"巨額な消耗戦"を繰り広げているようなものだ。

そんな状況をいったいいつまで続けようというのか?

原発に関しては、安全に使い切るまで利用し続けることが、結局は安価で安全に上がるのだ。v

 

www.huffingtonpost.jp

 

<廃炉原発>福井県が課税へ 使用済み核燃料も毎日新聞 5月19日(木)11時57分配信

とんでもない記事だ。
これこそ!貧困地方行政のやくざ的な発想。
これが朝日新聞に記載されて、今日の福井県のニュース。
これをどう思うか?
原発政策を推し進めたのは、
作もなく頭もなく、やくざの親分につき従う地方行政(子分たち)のせいも十分にあったことが証明されてしまったね。

課税「困ったら原発か」 使用済み核燃料を収入源に

大谷聡、山田佳奈

2016年4月4日09時07分朝日新聞

行き場のない使用済み核燃料を新たな収入源とする。そうした動きが原発立地の自治体で広がっていた。東電福島第一原発事故から5年。「使用済み燃料が留め置かれることになってしまう」と懸念の声があがる。

佐賀県玄海町

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 「平成29年度にはやりたい」。佐賀県玄海町の岸本英雄町長は3月10日の町議会で、法定外税の使用済み核燃料税を始めると表明した。

 人口約6千人の町。歳入の6割を原発関連収入が占める。だが、九州電力玄海原発の1号機は廃炉が決まり、3、4号機の再稼働も見通せない。電源三法交付金や、経年で下がる固定資産税は、今後大幅に減る見込みだ。2017年度には地方交付税の交付団体に転落する恐れもあるという。

 町が目をつけたのが原発内にたまる使用済み燃料だった。同じ九電川内原発がある鹿児島県薩摩川内市を参考にした。「川内が取っているならうちも、と考えた。うちは廃炉で苦しいのに、金額が川内より少ないのは考えられない」。岸本町長は取材にこう話す。

 ただ、課税を始めると、それで得られる4億円に依存するようになる。気付くと、カネを生む使用済み燃料は町内にずっと留め置かれ、実質的に中間貯蔵になってしまう――。こう懸念する町議もいる。

 岸本町長は「原発依存度は下げたいのでジレンマは感じる。しかし、地方の小さな自治体にとって使用済み核燃料税は生きるすべだ」と言う。

町は交付金など15億3千万円をかけて「町次世代エネルギーパーク」をつくり、13年7月にオープンさせた。だが14年度は来場者は目標の半分に満たなかった。

 玄海原発に対しては、県も核燃料税を課している。原子炉の出力に応じて課税し、15年度の税収は18億6千万円。だが、このうち玄海町に交付されたのは7500万円にとどまる。

 マダイやトラフグの養殖筏(いかだ)、漁船用の桟橋、園芸用設備……。町は県からの核燃料税交付金を主に1次産業支援に使ってきた。だが16年度は福祉を中心に使う。町財政企画課は「一般財源だけでは立ちゆかない。町民生活を支える一つに、使用済み核燃料税も使えれば」と言う。立地自治体では似た財政状況のところが多い。

 原発から2キロ。経営する民宿で、溝上孝利さん(57)は使用済み核燃料税導入の一報を聞いた。「また『困ったら原発』か」

 利用者のほとんどが原発作業員で、福島の事故直後に宿泊客がほぼゼロになった。どう従業員の雇用を守るか。夜も眠れなかった。

 いまは再稼働に向けた工事で作業員の宿泊が戻ったが、溝上さんは少年スポーツ合宿の誘致や街おこし活動を始めた。「原発にお世話になってきたけれど、そろそろ卒業させてほしい」

青森県むつ市

 どちらが課税するか。立地の県と市はせめぎあう。

 青森県むつ市は09年、使用済み核燃料税条例の素案をつくった。市内では使用済み燃料中間貯蔵施設が建設中だった。

 青森では、六ケ所村再処理工場にある使用済み燃料などに、県が90年代から課税を続けてきた。税収は年間200億円程度にものぼるが、六ケ所村むつ市など立地市町村には全く配分されていなかった。

 条例素案をつくったのはなぜか。「原子力施設はみな下北半島にあるのに、県が課税するだけで地元にカネは来ない。それなら自分で課税しようと考えた。早い者勝ちということ」。むつ市幹部は振り返る。

 しかし11年、福島原発事故が発生。市は社会情勢から新たな条例は困難とみて、素案を棚上げして県からの配分に狙いを変え、同年10月、核燃料税交付金制度の創設を県に求めた。

 交付金制度は12年度から始まった。最大計20億円で、立地の4市町村と周辺11市町村が半分ずつ得る仕組み。金額は14年度に30億円に上がった。県の担当者は「全国最高金額にしたかった。他県を調べると、福井県が30億円配った年があったので、その金額に設定した」と言う。

 むつ市には14年度、県から交付金3億2千万円が入った。市は全額を一般廃棄物処理に使っている。

■広がる独自課税

 原発立地から年月が経つと減っていく電源三法交付金を補うように、立地自治体による原子力関係の独自課税は拡大を続けている。

 「先駆的に研究し、新たな制度も採り入れてきた」

 福島原発事故から5年の3月11日。福井県西川一誠知事は県議会で、使用済み燃料廃炉中の原子炉への二つの課税を新たに始めると表明し、こう述べた。

 立地自治体による課税は、76年に福井県が始めた核燃料税が皮切りだ。原子炉に入れられる核燃料の価格の5%をとった。92年までに立地の全12道県が続き、福島の事故前までに税率も12%前後まで上がった。00年代初めには、立地県が税率を上げる際に電力会社が反発し、議論を呼ぶこともあった。

 福井県は福島の事故後の11年11月、核燃料税の仕組みを変えた。それまでは原発が動いているのが前提だったが、停止中も一定の税収があるよう、原発の出力に応じて課税する「出力割」を始めた。出力割も15年までに、福島・宮城両県を除く10道県が続いた。

 そして今回、福井県使用済み燃料廃炉中の原子炉への課税に乗り出す。使用済み燃料への課税について、西川知事は「県外搬出を促進する仕組みを採り入れたい」としている。だが、使用済み燃料を再処理して再び燃料に使う核燃料サイクルが進まない中、中間貯蔵施設など搬出先が決まるめどはたっていない。

 全国の原発にある使用済み燃料に、既に実施している柏崎市の税率を当てはめると、すべてに課税すれば約71億円になる。福島原発事故後、福島第一の6基を除いても、すでに6基の廃炉が決まっている。(大谷聡、山田佳奈)

     ◇

 〈法定外税〉 住民税など地方税法で定められた税目以外に、地方自治体が独自に条例をつくって課す税。産廃税や別荘税などが知られるが、核燃料税や使用済み核燃料税といった原子力関係が金額で全体の7割を占める。設置には総務相の同意が必要だが、不同意はこれまで1件のみ。原子力関係の税では電力会社側の意見を聴く仕組みがあるが、地方財政審議会では「電気料金を負担する住民の意見を聴取する機会も必要だ」とする指摘が出ている。

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そして今朝のニュースだ!
廃炉原発福井県が課税へ 使用済み核燃料も
毎日新聞 5月19日(木)11時57分配信
福井県は、原発などの敷地内に5年を超えて保管されている使用済み核燃料と、廃炉原発を新たに課税対象にする方針を固めた。6月3日開会の定例県議会に条例案を提案する。実現すれば収入が年約30億円増える見通しという。使用済み核燃料への課税は新潟県柏崎市などの例があるが都道府県では初めて。廃炉原発への課税は全国初で、他の原発立地自治体の施策にも影響を与えそうだ。


 福井県は現在、原子炉に挿入された燃料の価格に応じて課税する「価格割」と、停止中の原発でも出力規模に応じて課税する「出力割」の2種類の方法で、電力事業者から核燃料税を徴収。年約60億円(2014年度)の収入がある。

 しかし、県内の商用原発全13基と高速増殖原型炉もんじゅが停止し、うち3基の廃炉が決まっており、税収減が課題に浮上。現行の核燃料税条例が11月に更新時期を迎えるため、課税方式の見直しを進めていた。

 これまで、西川一誠知事は使用済み核燃料の中間貯蔵施設の県外立地を求めており、使用済み核燃料への課税は、保管が5年を超えて冷却され、移動が可能になった核燃料の県外搬出を促す狙いとしている。金額は1キロ当たり1000円とする方向。県内には現在、3680トンの使用済み核燃料があり、このうち約8割が対象となる。

一方、「出力割」も見直し、廃炉原発を対象に加える方針。現在課税対象の原発の税率(出力1000キロワット当たり年18万3000円)の半分を適用する考えだ。廃炉が決まった日本原子力発電敦賀原発1号機(敦賀市)、関西電力美浜原発1、2号機(美浜町)と、日本原子力研究開発機構廃炉作業を進めている新型転換炉ふげん(敦賀市)が対象になる。

 新税制の実際の導入には、総務相の同意が必要。【岸川弘明】

廃炉 #原発問題 

原発の運転員 20%超が運転経験全くなし 9月21日 19時22分

この酷い内容のNEWS。

結論ー原発技術者を育てるためにも再稼働させよ!という意図を感じざるを得ない。

全くー本末転倒なことを言っている。

そのために周辺住民の生活が危険にさらされることなど考えもしないのか?

 

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東京電力福島第一原子力発電所の事故から4年半、鹿児島県にある川内原発の再稼働から1か月余りがたちました。全国の原発では運転停止が続くなか、最前線で安全を担う運転員のうち運転経験が全くない人が20%、5人に1人を超え、大きな課題となっていることが分かりました。
NHKは福島第一原発の事故後、各地の原発で続く運転停止の影響を調べるため、原発を保有している全国の電力会社10社にアンケートを行いました。
この中で、先月末の時点で運転員のうち、原発を運転した経験がない人がどれぐらいいるか尋ねたところ、平均でおよそ22%、5人に1人を超えていました。発電所ごとに見ますと、先月、再稼働した鹿児島県川内原発がおよそ40%と最も高く、島根県の島根原発がおよそ37%、愛媛県伊方原発がおよそ33%、佐賀県玄海原発がおよそ30%などとなっていて、電力各社では原因として原発停止後に入社した運転員が増えていることを挙げています。
原発は運転の手順書だけでも数千ページに及び、最前線で安全を担う運転員は核燃料や放射線の知識のほか、電気や機械、化学など総合的な知識と経験が必要なため、「10年で一人前」と言われています。現場ではベテランの「当直長」以下、およそ10人の班が交代で運転に当たりますが、今回の結果は、このうち平均で2人以上が未経験者という計算になります。
電力各社は対策として、制御室を再現した施設で事故対応を含めた訓練を行っているとしているほか、火力発電所で研修を行い、運転感覚を養っていると答えたところもあります。
一方で、「音や熱、振動など、人間の五感で感じる部分の技能の確保が課題」、「実機での実操作ができないことから起動停止に関しては技術力の低下が懸念される」という回答もあり、運転経験の空白をどう補うかが課題となっている現状が浮き彫りになっています。

伊方原発 3人に1人運転経験なし

ことし7月に原子力規制委員会の審査に合格した愛媛県の伊方原子力発電所3号機について、四国電力は年明け以降に再稼働を目指す見通しです。
しかし、福島の事故の翌年にすべての原発を停止して以来、運転のブランクは3年半を超えているうえ、運転員の3人に1人は、そもそも運転の経験がありません。このため、四国電力は再稼働に向けて、原発の中央制御室を再現した施設で重大な事故などを想定した訓練を繰り返しています。
その現場の取材が特別に許可されました。訓練の想定は、原子炉の冷却水が不足して核燃料が溶けるおそれが発生し、原子炉の圧力を下げるなど、さまざまな操作をして冷却水を注入するというものです。
運転員は、こうしたシナリオを事前に知らされていません。しかも、訓練に臨んだ10人のうち4人は運転未経験。ベテランがつきっきりで支えます。訓練装置では、運転中に発生する音や振動はありません。限られた環境で、経験者が運転感覚を取り戻すと同時に経験がない若手を育てなければなりません。

若い世代の「原子力離れ」も

原発の安全を担う人材の確保を巡っては、別の課題もあります。若い世代の「原子力離れ」が進んでいるのです。
文部科学省によりますと、電力会社など原子力の関連企業が開いている就職説明会の参加者を見ると、福島第一原発の事故の前の平成22年度は1900人余りなのに対し、23年度には500人を割り込み、その後も400人前後の状態が続いています。
中でも、かつては参加者の多数を占めていた電気や機械を学ぶ学生は、いずれも50人余りと、4年前と比べて6分の1から8分の1に激減しています。
さらに、電力会社の原子力部門に就職した学生を見ても、原子力以外の分野を専攻した学生の占める割合は今年度は70%余りと原発事故の前より20ポイントも減っています。
廃炉も含めた原発の安全のためには幅広い分野の専門性が必要で、こうした人材を長期的にどう確保するかは原子力業界全体の課題となっています。

「身の回りの目 気になり踏み切れず」

福島県いわき市福島工業高等専門学校の飯塚将太さん(22)は、福島第一原発廃炉の現場への投入を想定したロボットの研究を続けてきました。
しかし、就職先として原子力業界を選ぶことにはためらいがあるといいます。周囲の批判の声と、将来性についての不安感が拭えないからです。
飯塚さんは現場を自分の目で確かめようと、今月、原発事業者の日本原子力発電茨城県東海村で開いた見学会に参加しました。ここでは、定期検査で実際に使っている水中ロボットのほか、廃炉作業が進む原発でロボットが投入されている現場の様子も特別に見学しました。こうした見学会やセミナーは、原子力業界への就職を目指す若者を増やそうと、各地で開かれています。
飯塚さんは自分の力が発揮できる手応えを感じた一方で、「世の中の意見とか、身の回りの家族や親戚の目が気になっているのでなかなか踏み切れないところがある。現時点ではこの分野をやりたいとは決めてはいません」と話しています。
見学会を開いた日本原電の和佐尚浩さんは、「彼らが今後、原子力人材に結びつくかどうかは分かりませんが、こうした取り組みを続けることによって、原子力の継続した人材育成につなげたい」と話していました。

www3.nhk.or.jp

福島第一原発 地下水の初の放出 始まる 9月14日 11時20分(NHK)

東京電力福島第一原子力発電所の新たな汚染水対策として、建屋の周辺などからくみ上げた地下水を海に放出する作業が、14日午前、始まりました。国と東京電力は、これによって新たに発生する汚染水の量を半分程度に減らせるとしていて、福島第一原発の汚染水対策は大きく動きだしました。
福島第一原発では、地下水が建屋に流れ込んで毎日300トンもの汚染水が新たに発生していることから、これを抑えるため、建屋の周辺に掘った「サブドレン」と呼ばれる井戸などから地下水をくみ上げて海に放出する計画で、国と東京電力は、14日午前10時ごろから初めての放出を始めました。
放出を始めたのは、去年8月以降に試験的にくみ上げ、基準を下回るレベルまで放射性物質を取り除くなどした地下水4000トンで、14日はこのうちの850トンを夕方までに放出する予定です。その後も3日間程度放出を続けるほか、その後も地下水のくみ上げと浄化、放出を断続的に繰り返す計画です。
この対策によって東京電力は新たに発生する汚染水の量を半分程度に減らせるとしていて、去年8月に地元への説明を始めてから1年を経て、汚染水対策は大きく動きだしました。
一方で、地元からはトラブルが起きた際の影響などを心配する声が出ていることから、国と東京電力は厳重な監視のもとで放出を行うとしています。

基準について(以下経産省HPより)
全く安全がわからない説明ですが…

よくある質問 Q&A(METI/経済産業省)

Q1:放射性物質の海への影響は?

A1: (平成26年9月16日)

  • 東京電力は、平成26年7月、放射性物質を含む地下水が福島第一原発の港湾に流出していることを公表しましたが、同原発の港湾の出入り口や外洋では、1年前の時点(平成25年9月)で、放射性物質は検出されないか、WHO(世界保健機構)が定めた飲料水の基準より低い濃度でした。
  • IAEA国際原子力機関)も汚染は「港湾内」に限られていると評価。
    平成25年12月に現地を調査したIAEA国際原子力機関)の調査団からも、汚染は福島第一原発の「港湾内」に限られていると評価されています。
  • その後の対策(水ガラスによる護岸の土壌改良等)の結果、流出する放射性物質の量はさらに減少しており(*)、港湾内でも、一部区域を除いて、検出されないか、WHOの飲料水基準を下回る濃度になっています。

    (*)1年前以前と比べ、ストロンチウムで約1/3、セシウムで約1/10に減少したと推計。「いまだに○兆ベクレルもの放射性物質が流出している」と言われることがありますが、海水中の放射性物質の濃度は、港湾の一部を除き、飲料水の基準を満たすレベルです。

  • 追加対策でさらに改善。
    今後、建屋周辺の井戸(サブドレン)から地下水をくみ上げ・浄化して排水したり、海側遮水壁を閉じる計画ですが、これらができれば、放射性物質の港湾への放出量は、さらに少なくなります。

Q2:放射性物質が「不検出」だったり検出されたり、海水の分析方法はどうなっている?

A2:(平成26年12月5日)

  • 東京電力では、「総合モニタリング計画」に基づき、周辺海域のモニタリングを実施しています。
  • 「日常分析」と「詳細分析」を行っている。
    「日常分析」は、放射性物質が漏れ出していないか、監視するために行っており、迅速性を重視しています。(毎日実施、検出下限値:1ベクレル/リットル)「詳細分析」は、環境中に放出された放射性物質の拡散や移動などの状況の把握を行っています。(週1回実施、検出下限値:0.001ベクレル/リットル)
  • 「日常分析」で検出されなくとも「詳細分析」で検出されることがある。
    迅速性を重視する「日常分析」に比べ、「詳細分析」では、より少ない放射性物質まで検出できるため、「日常分析」では検出されなかった放射性物質が「詳細分析」で検出されることがあります。また、測定には一定の誤差も存在します。
  • 福島第一原発の港湾外の海水は、飲料水の国際基準を満たすレベル。
    福島第一原発の港湾外の海水は、「詳細分析」でも放射性物質は検出されないか、検出されても世界保健機関(WHO)の飲料水に関するガイドラインの基準値よりも格段に小さな値となっています。
  • 今後とも、汚染水対策をさらに進め、海洋への影響をさらに小さくするとともに、風評被害が生じないよう正確な情報の発信に努めてまいります。

↑の経産省の具体的な数字に振れない説明では全く分からないので調べてみた。
そうしたら具体的な数字も共に出てきたので参考まで。

www.taro.org




www3.nhk.or.jp

川内原発2号機の核燃料搬入終了 10月中旬再稼働へ

さらに常軌を逸していることは続く。

 

九州電力は13日午後9時14分、川内(せんだい)原発2号機(鹿児島県薩摩川内市、89万キロワット)の原子炉への核燃料の搬入を終えた。11日午後1時10分に開始し、核燃料157体を搬入した。今後も原子力規制委員会の検査が続く。九電は10月中旬の再稼働と、11月中旬の営業運転への移行を目指す。

 川内原発では、1号機が8月に新規制基準下で初めて再稼働し、今月10日に営業運転へ移行した。

 

福島第一原発で雨水が海へ 断続的に流出 9月11日 12時11分

国家的に設置し、国が東電を支えているならーもっと何とかできるのでは?

台風の来るたびに海に流してしまえ!となっているようにしか見えない。

 

 

 

大雨の影響で、東京電力福島第一原子力発電所では、11日朝早く、敷地内に降った雨水が排水路のせきを越え、断続的に海に流れ出しているのが確認され、東京電力がどれぐらいの放射性物質が含まれていたかを調べています。
東京電力によりますと、福島第一原発の敷地内から海につながる排水路の一つで、11日午前3時ごろから敷地内に降った雨水が断続的にせきを乗り越えて海に直接流れ出しているのが監視カメラの映像で確認されました。
海に流れ出していたのは午前3時すぎからと、午前5時20分から、午前6時すぎからの3回で、流出していた時間は合わせて2時間半余りだということです。
この排水路は、ことし2月に汚染された雨水が海に流れ出ているのが見つかったため、せきを設けて雨水をポンプでくみ上げる応急措置を取っていましたが、東京電力はポンプの能力を超える量の雨水が排水路に流れ込んだとみて、どれぐらいの放射性物質が含まれていたかを調べています。
この排水路では、ことし5月から港湾内につながる別の排水路への付け替え工事が進められていますが、まだ工事は終わっておらず、大雨が降るたびに雨水がせきを越えて海に流れ出しています。

第一原発、7回目の汚染雨水流出…対策後なお : 科学・IT : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

東京電力は11日、福島第一原発の排水路から汚染雨水が外洋流出したと発表した。防止対策を実施した4月以降、7回目。最近は強めの雨が降るたびに流出しており、東電の対応や見通しの甘さを指摘する声が上がった。

 流出が相次いでいるのは「K排水路」。東電によると、11日の流出は午前3時過ぎから午前7時過ぎにかけて計3回、断続的に続いた。原因は今回も「ポンプのくみ上げ能力を超える雨が降ったため」だった。

 K排水路の出口は外洋につながる海にあり、東電は4月、出口近くにせきを設けてたまった水をくみ上げるポンプを8台設置した。K排水路には原発事故で飛び散った放射性物質が入った雨水が流れ込んでおり、東電は昨年から濃度の高さと外洋流出に気付きながら伏せていた。ポンプ設置などの対策は、漁業者や地元自治体から強い批判を受けたのがきっかけだった。

 ポンプの設置後、くみ上げた水は外洋とは区切った港湾内につながる別の排水路に流しており、東電は今年度内にK排水路の出口を港湾内に付け替える工事を実施中。8台のポンプは1時間あたり14ミリの雨までくみ上げられるが、東電の担当者は「水がないのにフル稼働を続けるとポンプに負荷がかかるため、水位に応じて動き出す台数が変わる仕組みにしている。急に強い雨が降ると対応しきれない」と説明する。

 福島県は、排水路の上流側にポンプを増設するよう求めているが、東電側は「上流側の排水路は地下にあり、設置する場所がない」と主張して従っていない。東電は流れ込む雨水を減らすためとして新排水路の建設も進めているというが、完成は年末の見込み。県の担当者は「再発防止を求めているが流出は続く。東電は甘すぎる」と批判している。

2015年09月12日 13時23分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

NEVERまとめより(転載)福島原発の最新状況

福島原発の最新状況 - NAVER まとめ

■2015/5/26 16万3000トン再浄化必要/地上タンクの汚染水

東京電力福島第1原発の地上タンクに保管している全約60万トンの高濃度汚染水の放射性物質を極力減らす浄化処理計画で、全体のうち、27%に当たる約16万3000トンで再浄化が必要な見通しとなった。政府が25日、いわき市で開いた廃炉・汚染水対策現地調整会議で東電が報告した。東電は一部で再浄化を始めているが、完了の時期は示していない。

出典16万3000トン再浄化必要 第1原発、地上タンクの汚染水(福島民友ニュース)

約60万トンの汚染水の浄化処理は今月中にいったんは完了する。しかし再浄化が必要な約16万3000トンの汚染水は保管中のリスク(危険)を低減するため、1度目の浄化処理で放射性セシウムストロンチウムを優先して除去したにとどまり、あらためて62種類の放射性物質を取り除く「多核種除去設備(ALPS)」で再浄化を行い、トリチウム三重水素)だけが残る状態にする必要がある。

一方、東電は当初、通常より海水成分を多く含む汚染水約2万トンについて、浄化が数カ月遅れるとみていたが、ALPSが順調に稼働して処理のめどが立った。約2万トンの処理が終われば、再浄化の効率化や前倒しが進む見通し。

■2015/3/26 作業員、線量超過相次ぐ 170人超現場離れる

東京電力福島第一原発廃炉作業で、被ばく線量が法定上限の「5年間で100ミリシーベルト」を超え、現場で働けなくなった作業員は今年1月末現在で174人となった。同原発の登録作業員は1万4000人程度だが、50~100ミリシーベルト被ばくしたのは2081人に上る。今後は線量の高い場所での業務が増える見込みで、専門家からは作業員を安定して確保する仕組みづくりが急務だとする指摘が出ている。

 

労働安全衛生法は、原発作業員の被ばく線量限度を5年間で100ミリシーベルトとした上で、年間上限を50ミリシーベルトと定めている。

福島第一原事故が起きた平成23年3月から今年1月までの約3年10カ月で、4万1170人が作業員として同原発構内で働いた。このうち、被ばく線量が累計で100ミリシーベルトを超えた174人が現場を離れた。

東電の協力企業の多くは、法令限度を超える前に作業員を被ばく線量が少ない別の部署に配置転換している。このため、被ばく線量が50~100ミリシーベルトとなった2081人の大半は他の職場に移ったという。時間の経過とともに、被ばく線量が上限に近づく作業員は今後、さらに増えるとみられる。

国際放射線防護委員会(ICRP)は、放射線業務従事者の5年間の年間平均許容被ばく線量を20ミリシーベルトに設定している。協力企業社員として福島第一、第二両原発で約20年間、作業員の被ばく管理に当たった男性(57)は「協力企業は、被ばく線量が年間20ミリシーベルトを超えた作業員を原発構内での仕事から外す傾向にある」と明かす。

東電福島第一原発構内で働く作業員確保の状況について、「ある程度の余裕はある」と説明している。登録作業員は26年10~12月の平均が約1万4200人で、この時期に福島第一原発に作業に入った実数の1万1200人を3000人程度上回っているためだ。一方、被ばく線量の関係で、原発構内で働けなくなる作業員が増えるとみられることについては、「構内の放射線量低減などを進め対応する」としている。廃炉作業を監督する資源エネルギー庁の担当者は「廃炉作業が完了するまで人手を確保できるかは不透明な部分もある」と認めた上で、東電労働環境の改善を指導するとしている。

事故発生から4年が経過し、福島第一原発構内の放射線量は低下している。しかし、今後は廃炉作業が本格化し、放射線量の極めて高い原子炉建屋付近などでの作業が増える。

27年度には、事故を起こした3号機の使用済み燃料プールからの燃料取り出しが予定されている。作業員の被ばくを避けるため、主に遠隔操作で行われるが、準備に伴う機材の設置などで作業員が原子炉建屋に近づくことは避けられない。


こうした状況を踏まえ、県原子力対策監を務める角山茂章氏(71)は、廃炉が完了すると見込まれる30~40年後を見据えた長期的な人材確保の仕組みづくりが不可欠だと指摘。「被ばく線量が増えて熟練作業員が現場を離れれば、廃炉業務は滞ってしまう。国と東電は対策を急ぐべきだ」と求めている。

背景
東京電力福島第一原発事故を受けて、国は平成23年3月14日から、作業員の緊急時の被ばく限度を年間100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに臨時的に引き上げ、同年12月に通常時の限度に戻した。放射線影響研究所広島市長崎市)は平成27年度、事故発生直後の同期間、福島第一原発で作業に従事した2万人を対象に継続的な健康調査を始める。

■2015/3/26 放射性物質 管理目標の3倍海に

東京電力は二十五日、昨年四月からの一年ほどの間に、福島第一原発から七四二〇億ベクレル放射性セシウムが海に漏出していたとの試算を明らかにした。この量は、東電原発事故前に定めていた年間の管理目標値(二二〇〇億ベクレル)の三倍超に当たる。
先月、福島第一の排水溝から汚染水が外洋に流出し続けている問題が発覚し、東電はどれくらいの影響があったのか原子力規制委員会から報告を求められていた。二十五日の規制委検討会で、東電は漏れ続ける汚染水の測定を始めた昨年四月十六日から今年二月二十三日まで、濃度や溝を流れる水量から試算した。最もセシウムの量が多かったのは、1~4号機の海側敷地から護岸を通じて漏れ出す地下水で、五一〇〇億ベクレル。次に多いのは、建屋脇を通って外洋に直接流れ出すK排水溝の二〇〇〇億ベクレルだった。ほかに三本ある排水溝は一〇〇億ベクレル前後だった。

東電は建屋に降り注いで汚染された雨が排水溝の主な汚染源と強調するが、会合で、規制委の更田(ふけた)豊志委員は「(高濃度汚染水がたまる)建屋からの可能性も含め、早急に汚染原因を究明するべきだ」と求めた。
東電放射線量の高い地点では、無線式の超小型ヘリやクレーンを使い、早急に調査を進める考えを示した。ただ、東電は、排水溝からの漏出量は、護岸からの量に比べて「十分の一程度」と強調し、自らが放置してきた排水溝の汚染水問題が深刻ではないかのような説明をした。
参考として資料に添付した原発近くの海水のモニタリング値にしても、実際には振れ幅があり高いセシウムが検出される日もあるのに、その値は記さず、ゼロと誤解されやすい「検出限界値未満」だけを記載した。

■2015/3/6  経産省東電に公表指示せず 汚染雨水流出問題

東京電力が福島第1原発2号機の原子炉建屋屋上にたまった汚染雨水の外洋流出を把握しながら公表していなかった問題で、経済産業省も昨年12月に東電から問題の把握につながった放射線量の測定データを示されたにもかかわらず、公表を指示していなかったことが5日、分かった。公表を指示しなかった理由は「(東電が)公表しているものと思い込んでいた。報告を受け原因究明や対策を検討していた」としている。同日開かれた自民党会合で糟谷敏秀資源エネルギー庁廃炉・汚染水特別対策監が明かした。出席した国会議員からは「東電も悪いが、経産省も悪い」と経産省の対応を批判する声が上がった。同党は今後、汚染水対策の問題点や改善策について政府に提言する見通し。

糟谷対策監の説明によると、経産省は、放射線量が高い排水路をめぐり、東電が昨年2月から除染に取り組んでいたことは把握していたが、作業の結果や同4月からは定期的に放射線量を計測していたことは知らなかったという。

東電から示されたのは昨年12月で、「対策を取っているが、効果が出ない」として報告を受け、公表の有無を確認しないまま、対策などを協議していたという。

■2015/2/25

菅義偉官房長官は2月25日に行われた記者会見で、福島第一原発から高濃度の汚染水が海に流出していた問題について、「港湾外への汚染水の影響は完全にブロックされている」と述べた。

問題となっていたのは、福島第一原発2号機の原子炉建屋の屋上に溜まっていた比較的高い濃度の汚染水が雨どいを通じて排水路に流れ込み、港の外の海に流れ出していたというもの。東京電力はこの問題を4月には把握していたが、流出を防ぐ十分な対策を取らず、公表していなかったと報じられた。

官房長官は、2014年の原子力規制委員会 ・検討委員会や、廃炉・汚染水対策現地調整会議などにおいて、東電は報告を行っていると指摘。また、排水口における放射性物質の濃度が2号機の原子炉建屋屋上のたまり水よりも低く、港湾外の海水濃度も法令告示濃度に比べて十分に低い数値だとして、「港湾への汚染水の影響は、完全にブロックされている。状況はコントロールされているという認識に、変わりない」と述べた。

■2015/2/25

汚染水 外洋に垂れ流し 1年前に把握、放置

東京電力が、福島第一原発の排水溝から高濃度の放射性物質を含む水が外洋に漏れ続けるのを放置していたことが二十四日、分かった。外洋への継続的な漏出を昨年四月に把握しながら公表せず、排水溝を専用港内に付け替えるなどの対策も取っていなかった。(荒井六貴)

東電によると、昨年四月十六日以降、一週間に一回、四本ある排水溝の出口付近で流れる水を採取し、放射性セシウムストロンチウムなどを分析。当初から四本とも明確に汚染が確認され、特に1~4号機の山側を通る排水溝(K排水溝)では、ほかよりも一段高い濃度を示していた。

例えば、昨年八月二十六日には、一リットル当たりセシウムが一〇一〇ベクレル、骨にたまりやすいストロンチウムなどは一五〇〇ベクレルと、水としては非常に高い値だった。日常的に、両物質とも数十ベクレル以上のレベルで推移している。流量は一日当たり約千七百トンに上る計算になる。2号機の建屋屋根にたまった放射性物質などが雨で流され、溝に入り込んだ可能性がある。
ほかの排水溝も、K排水溝ほどではないものの、日常的に汚染が確認され、降雨で濃度が上がる同様の傾向を示している。東電は、一昨年八月にタンクからの高濃度汚染水漏れを受け、タンク群近くのC排水溝の出口は、水が比較的拡散しにくい専用港内に付け替えた。しかし、東電は他の排水溝は対策を取ろうとせず、昨年四月以降のデータを公表しようともしなかった。
東電は、自社が実施する外洋の濃度測定で、セシウムストロンチウムなどはほとんどが同一ベクレル以下であるとして、「外洋には影響はない」と説明している。

東京電力によると、22日午前10時ごろ、東京電力福島第1原発敷地内の排水路で放射性物質濃度の上昇を示す警報が鳴った。ストロンチウム90などの全ベータ線を出す放射性物質の計測値は1㍑当たり最高で7230ベクレルに達した。

流出当初のストロンチウム等の全ベータ値は5050~7230ベクレルという高レベルだった。これらの高濃度の汚染水はそのまま原発に隣接する港湾に流出したとみられる。地下水を海に放出する「地下水バイパス」の運用のために東電が決めている濃度基準値はベータ線が5ベクレル未満だから、大幅に上回ったことになる。

東電によると、汚染水を貯蔵しているタンクからの漏洩はなく、構内側溝排水放射線モニタでも問題は生じていないことを確認したという。午前11時35分ごろに排水路のゲートを閉めるなどの対策を取った。しかし、それまでに海洋に流出した汚染水の流出量は不明としている。

午後0時半に採取した港湾内の海水からはベータ線を出す放射性物質が同3000ベクレル検出された。通常時よりも大幅に高い濃度で、汚染水流出によって濃度が急上昇したことがわかる。港湾はシルトフェンスで外洋と遮られているため、湾内の魚介類の流出入は一定程度抑制できているが、海水時自体の流出入は防げない。このためら、汚染水の一部が外洋にも流出した可能性もある。

■2015/2/22

原子力規制委員会が19日公表した東電福島一原子力発電所周辺の海底土の放射能濃度分布調査によると、1月中に採取した海洋土から1kg当たり最高800ベクレルセシウムを検出した。

日本の行政機関である。環境省の外局。委員会の事務局として原子力規制庁が置かれている。

調査を実施したのは、福島第一原発から半径20kmを中心に43地点の海底土を採取、乾土重量換算で評価した。その結果、福島原発直近の海底土から800ベクレルを検出したほか、740ベクレル、540ベクレルなどの高濃度を検出した。高濃度海底土の多くは原発近接地点だが、半径約40km地点や、約60km離れた茨城県境に近い地点からも100ベクレルを超えるセシウムが検出された。


海底土の汚染度は、原発周辺から南側の地点が多く、海流の影響で汚染物質が茨城県側に流され沈殿し続けている可能性を示している。

■2014年5月31日
福島第二原発の奇跡 
増田尚宏・元第二原発所長が語る
(出典:HuffPost:http://www.huffingtonpost.jp/tomoko-nagano/fukushima-nuclear_b_5421167.html?utm_hp_ref=japan

2011年3月12日。東日本大震災による巨大津波の影響で、福島第一原発の一号機が水素爆発を起こしたちょうどその時。実は第一原発から直線距離にして、わずか12キロしか離れていない福島第二原発も、第一原発と同様の危機に直面していました。

ひとつ間違えば、2つの原発が同時に爆発する可能性があった最悪の事態。福島第二原発ではどのように未曾有の危機を回避したのでしょうか。当時の第二原発所長、増田尚宏氏がその驚くべき状況について語りました。

前日の3月11日。地震発生の際、福島第二原発では4つの原子炉が通常運転されていました。大きな揺れを検知したとき、すべての原子炉は自動停止しています。増田所長が緊急対策室に入ったのは、地震から15分がたったころでした。

「その時は、確か3メートルという予報だったと思うのですが、みんなに『津波がくるから気をつけろ』と指示をした記憶があります」

しかし、現実に原発を襲った津波の高さは推定9メートル。そのまま津波は敷地を駆け上がり、最高18メートルもの高さに達しました。それまで福島第二原発では津波に襲われても、建屋内は浸水しないという想定でした。

「実際には、津波というのは瓦礫を運んでくるんですよね。その瓦礫が(建屋内)の扉
に当たって扉が変形すると。それによって中に水が入ってきた。そんなことは考えていなかった」

津波が襲った瞬間、すでに想定外の事態は起きていたのです。津波が海辺に沿って並んだ、炉心を冷却する機能をもつ建屋内に侵入していました。

「2メートル50センチくらいの水が入って、完全にポンプモーターは水に浸かった状況でした。ここのポンプが壊れると原子炉が冷やせなくなると。このままいくと、格納容器の設計圧力に達する可能性があるなと思いました。復旧するには1日も余裕がないかな、というくらいの上がり方でした」

この時点で、福島第一原発と同様に、第二原発メルトダウンの危機に瀕していたのです。

4つある原子炉のうち、中でも1号機の原子炉建屋は地下に置かれた非常用ディーゼル発電機まで浸水し、3台すべて使えない状態。冷やす機能がまったくなくなってしまったのでした。

翌3月12日早朝。1号機の圧力抑制室の水温は100度を突破しました。ちょうどこの時間、菅直人首相が第一原発の視察に訪れています。当時、官房副長官だった福山哲郎氏のノートには、『第二、根源的な問題。海の水を循環しない』と記してあります。視察中の菅首相からの言葉でした。第二原発も非常に厳しい状況だと把握した政府は第二原発の半径3キロ圏内の住民に避難指示、10キロ圏内の住民に屋内退避の指示を出します。1号機の圧力を下げるため、最後の手段である「ベント」を行う可能性があったからです。「ベント」によって格納容器の圧力は下がりますが、それは放射性物質が外に飛び散るという最悪の状況を引き起こすことでもありました。

12日午後、第一原発で水素爆発が起きたとき、増田所長は緊急対策室にいました。

「なんとなく振動がきた気がしました。後を振り向いたらテレビで爆発のシーンが見えて。なぜ爆発したのか、理解できなかった」

第一原発と同様、メルトダウン、水素爆発の危機に直面していた第二原発で、増田所長は第一原発の状況とは異なるわずかな希望を見出しました。被災した外部電源4回線のうち1回線だけ生き残っていたのです。しかし、問題はこの1回線が炉心を冷却する建屋から遠すぎる場所にあり、建屋に繋がれていなかったことです。

増田所長は危機管理マニュアルにない「想定外の行動」に踏み切りました。なんと800メートルも離れた外部電源の1回線を、建屋まで人海戦術でケーブルを担ぎながら運ぶという指示です。ケーブルといっても、何トンもする大変重いもの。通常なら機械を使っても1カ月かかる作業を、わずか1日で成し遂げなければならないという過酷なものでした。第二原発では200人もの作業員が2メートル間隔でケーブルを担ぎ、建屋に引っ張る作業を開始したのです。

もうひとつ、福島第二原発には第一原発と異なる点がありました。発電施設の電源がすべて失われる、いわゆる「ステーション・ブラックアウト」によって、流量計や水位計など危機管理を行う計器がまったく機能しない状況に陥った第一原発。それに対し、第二原発は中央制御室の停電を免れていました。

「中央制御室というのは、監視と操作というのは非常に大事な2つの役割になります。それがまったくできなかった福島第一と、しっかりできた福島第二は大きな差があったと思います」

「ベント」のタイムリミットまであと2時間。メルトダウンを目前にした12日の深夜12時ころ、作業員の決死の作業によりケーブルは建屋につながれました。第一原発と第二原発、2つの原発が爆発するという最悪の事態はこうして回避されたのです。

マニュアルにない創造力をともなう現場対応、中央制御室の電源確保の重要性、外部電源の位置。福島第二原発メルトダウンを回避した経緯をたどると、安全管理について多くのポイントが見えてきます。しかし、現在、第二原発における対応はおろか、第一原発事故の検証でさえ不十分なまま、再稼働の議論が進んでいます。原発の再稼働論議の前に、検証すべきことがまだまだ多く残ってるのではないでしょうか。

■2014年5月29日
福島第一原発1号機 
原子炉格納容器からの汚染水漏えい2箇所目特定(出典:FGW)

東京電力の発表によると、福島第一原発1号機の格納容器下部にある圧力抑制室の外側の配管部分で、放射能汚染水の漏えい箇所を確認した。1号機の漏えい箇所特定は、昨年11月に続き2箇所目となる。

昨年11月には原子炉建屋地下一階のサンドクッションドレン(S/C)の上部からの漏洩を特定している。

新たに汚染水の漏えい箇所が見つかったのは、格納容器の圧力を調節するために設置されている配管部分。配管が伸縮する部分の保護カバー(外径約80cm)のボルト穴から水漏れしていることが、調査カメラによって確認された。

 漏えい箇所は特定されたが、現時点ではそれを塞ぐ作業を実施することはできていない。

■2014年5月24日

福島第一原発
多核種除去設備(ALPS)の不具合は、
部品の”欠陥” 放射能除去設備なのに放射能に弱い(出典 : FGW)

東京電力福島第一原発の増大する放射能汚染水対策を推進するために導入された東芝製の多核種除去設備(ALPS)が再三のトラブルを起こしているが、東電によると、トラブルの原因は高濃度の放射能を受けてフィルターの内部が破損したためとの見解を出した。

東電はフィルターを改良型に切り替え、23日、B系統について再稼働させた。だが、放射能除去装置が放射能に弱いとなると、今後の汚染水処理のスケジュールにも影響しそうだ。

ALPSは3系統が導入されているが、処理後に放射能濃度の高い白濁水が生じるなどのトラブルが続いたため、東電は今月半ばになって3系統全部を停止し、点検していた。その結果、トラブルの原因はB系のクロスフローフィルター(CFF)3Bのパッキンが放射線で劣化し、放射性物質(主にセシウム)を含む炭酸塩スラリーが、ろ過側(処理済水側)へ移行し、下流側へ流出したと推定した。

パッキンの劣化を防ぐ対策として、B系統については、耐放射線性能の高い材質を用いたパッキンに変更した改良型CFFへ取り替えて、運転を再開した。一方、3月に停止したA系およびC系は、処理後の水について特に異常がなかったが、いったん汚染したサンプルタンク等を浄化して再開したが、B系統と同様に、パッキンが劣化すると下流側のカルシウム濃度が上昇することから、今月半ばに停止、カルシウム濃度測定を行ったうえで、フィルターのパッキン交換を実施する予定。


東電がパッキンを分解調査した結果、ガスケットの一部に欠損や微小な傷が確認され、そこから炭酸塩スラリーが流出したとみられる。汚染水漏えいの原因となった欠損部分は、放射線の強さによって生じたと推定される。東芝が最初に使用したガスケットはテフロン性で、照射試験の結果、運転から約25日間運転に相当する1000Gyで、最大応力の低下がみられ、脆化(テフロンの劣化)が表れ始めたという。さらに最大伸び美試験では、250日間運転に相当する10000Gyで劣化が明確になった。


いずれも設計基準を大きく下回る劣化度で、一種の”欠陥”といえる。東電はテフロンのガスケットをEPDM(合成ゴム)に切り替えて、様子をみるという。ALPSは試験運転中ではあるが、一か月にも満たない運転状況で、部品の劣化が生じ、汚染水が漏れるという事態は、汚染水処理だけでなく、ALPSの運転そのものも手探りで進める以外にない、という原発処理の先行きの危うさを象徴しているともいえる。

■2014年5月22日

福島原発事故で排出したセシウム量、チェルノブイリ超え。
米政府当局が発表 福島18.1京ベクレルチェルノブイリ10.5京ベクレル