いま何が起こっているのか?

3.11以降のことを原発・放射能の影響・エネルギー問題などの記事を記録している

豪雨による除染袋流出240個に 一部は破損、中身空に 2015/09/12 23:36 【共同通信】

当たり前に台風が来れば考えられたことだ。
これをどうするというのか?
帰村は取りやめるのか?延期させるとか?FB上では次々と周囲の跳ね上がる放射線量を写真にとってUPしている方々を見つけることができる。


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川岸の樹木に引っかかった状態で発見された除染袋=12日、福島県飯舘村環境省提供)
東京電力福島第1原発事故の除染で出た汚染廃棄物を入れた大型の袋が豪雨で福島県飯舘村の河川に流出した問題で、環境省は12日、流出が計240袋になったと発表した。このうち113袋を回収したが、一部の袋は破れて中身が空になっていたという。

 環境省は残りの袋の回収を急ぐとともに、回収した袋の状態や周辺環境への影響がないか確認を急ぐ。道路の通行止めなどで調査ができていない場所もあり、今後流出数が増える可能性がある。

 12日午後9時半現在の調査結果を集計した。240袋のうち238袋は飯舘村で、2袋は保管場所から約20キロ下流の南相馬市原町区で見つかった。



台風18号で汚染水大量流出防げず。台風も想定外で済ませるのか?

2013年も立て続けに2つの台風が福島を通り、
その時の東電の答えは
「細かい対策は今、まさに詰めているところ。クレーンをたたんでおく、ホースをきちんと縛っておく、タンクの溶接を点検する、海上工事は一旦停止する、といった基本的な対策はすでに準備しています。雨がひどい場合、ノッチタンクに一度貯めて、線量を測った上で対応する予定です。それでも間に合わない場合については対応を再度、考えることになると思います」

そして2年たって今回も大量の汚染水流出。
東京新聞の記事を読んでいただきたい。
東電は国民からこうした無対応を批判されないことをいいことに
今回も 東電は、汚染水減らしのための地下水放出では、放射性セシウム137で一リットル当たり一ベクレル未満など厳しい基準を設けているにもかかわらず、K排水溝問題では数百ベクレルの汚れた水が流出しても対策を取れずにいる。

はっきり言って、三陸、宮城、福島近海の魚をこの状態で買う人がいるのだろうか?
国民の健康を第一に考えるー(今日、安倍氏は「人命救助を第一に」と言ったが)
ならば、正確な海水の汚染度合いのデータを新聞に公表するべきだろう。
都道府県等における水産物放射性物質調査結果(平成27年度)

http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/pdf/150910_result.pdf


風評被害を助長させているのは隠蔽体質以外なにものでもない。
このPDFを目を皿のようにしてみろ!というのか。

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東京電力福島第一原発で九日、原子炉建屋周辺の雨水などを集める「K排水溝」の水が、堰(せき)を越えて外洋に流出した。四月以降、確認されただけでも六回目。東電は排水溝の中が狭いためポンプ増強は難しく、溝の付け替えが終わる来年三月ごろまでの間、「新たな対策を取る予定はない」としている。有効な手立てがないまま、台風などでまとまった雨が降るたび汚染水が流出する可能性が高い。(小倉貞俊)

 K排水溝をめぐっては二月、東電は溝を流れる水に高濃度の放射性物質が含まれ、外洋に流れているのを知りながら、問題を放置していたことが発覚。港湾内に注ぎ込むよう、溝を付け替える工事を始めた。ただ完了までまだ半年以上かかる見込み。

 それまでの暫定対策として四月から溝をせき止め、たまった水を八台のポンプでくみ出して港湾内につながる別の溝に流し込む作業を実施。だが、ポンプのくみ上げ能力は毎時計二千トンで、一時間に一四ミリ以上の雨が降ると水が堰を越えてあふれる。

 東電は流出は年に四~五回としていたが、短時間でまとまった雨が降っても流出することが判明。九日も一四ミリには達しなかったが、二時間半にわたってあふれたという。

 原因はポンプの能力が足りないためだ。東電は、ポンプを増強しようにも、溝の出口付近は急な傾斜のためスペースがないと説明する。高さ八十五センチの堰を高くしすぎると「敷地側でうまく排水できず、あふれてしまう恐れがある。汚染を広げかねない」(東電の担当者)。状況は改善できないという。

 東電は、汚染水減らしのための地下水放出では、放射性セシウム137で一リットル当たり一ベクレル未満など厳しい基準を設けているにもかかわらず、K排水溝問題では数百ベクレルの汚れた水が流出しても対策を取れずにいる。

 
 

 


投稿日: 更新:

当時2013年の記事は下に)

大型で強い台風26号が16日にかけて、関東地方に接近する。「関東に接近する台風としては10年ぶりの強さ」と気象庁では、大雨と暴風に注意を呼びかけているが、福島第一原発の汚染水漏れは、大丈夫なのだろうか。

今回の台風が懸念されるのは、東京電力は9月16日、台風18号の大雨により、汚染水を貯めるタンクに溜まった水を放出した事実があるからだ。放射性物質ストロンチウムの濃度が、海への排出基準を十分に下回っていると理由を説明している。

東京電力は16日午後、台風18号の大雨で、福島第一原発で汚染水をためているタンク周囲の堰(せき)の内側にたまった水を放出した。ストロンチウムなどの濃度が法で定める放出限度(1リットルあたり30ベクレル)より低いといい、緊急措置と説明している。水は周囲の土壌に流れ、原発内に降った雨水と一緒になり、最終的には海に流れる可能性がある。


朝日新聞デジタル福島第一、汚染水タンク周囲の水放出 台風で緊急措置」より 2013/09/16)

 
 

安倍首相は9月7日、2020年のオリンピック開催地を決めるIOCの総会で、「汚染水はコントロール下にある」と断言。9月19日にはすでに廃炉が決まっている1〜4号機に加え、5号機、6号機の廃炉東京電力に要請している。

汚染水への対応では首相も「国が前面に出て私が責任者として対応していきたい」と記者団に強調。「影響は湾内の0.3平方キロメートル以内の範囲において完全にブロックされている」と明言した。ただ、先の国際オリンピック委員会(IOC)総会で述べた「状況はコントロールされている」との表現は使わなかった。


時事ドットコム5、6号機の廃炉要請=安倍首相が東電社長に-福島第1原発」より 2013/09/19)

 
 

一方で、海外のメディアや識者は汚染水問題に総じて批判的で、科学雑誌の権威「Nature」では、「政府の対応が遅すぎる」としているほか、アメリカ・原子力規制委員会の元委員長だったグレゴリー・ヤツコ氏は、「汚染水のコントロールは不可能」と述べるなど、厳しい意見が多い。

東京電力は9月27日、汚染水の対策の詳細について発表。遮水壁の設置や、貯水タンクの溶接方法の見直し、地下水を組み上げて建屋内への流入を防ぐなど、抜本的な対策に道筋をつけた。

では、「10年に1度」とされる今回の台風については、どのような備えをしているのか。東京電力はハフポスト日本版の電話取材に対して、以下のように回答している。

「細かい対策は今、まさに詰めているところ。クレーンをたたんでおく、ホースをきちんと縛っておく、タンクの溶接を点検する、海上工事は一旦停止する、といった基本的な対策はすでに準備しています。雨がひどい場合、ノッチタンクに一度貯めて、線量を測った上で対応する予定です。それでも間に合わない場合については対応を再度、考えることになると思います」

 

【原発問題】参加新聞社のニュース(2015年9月8日)福島県内で原発事故関連の自殺、後絶たず 支援員確保が課題

こうして、声なき者の命は忘れられて行ってしまうのか?
私は、被災地にとどまっている人の心のケアももちろん、もっと真剣に取り組んでほしいと願うがーそれよりもっと深刻だと思うのは、自主避難した津波で家族を失い、原発で帰るところを失った人たち=県外にいる人たちの心のケアがされていないということ。
生半可に乗り越えられるものではない。
自分の外にすべておいて、今を生きているように頑張っておられる方々を見ているが、それで済む問題とは思えない。
特に小学校であった子どもの心のケアは見過ごされている。当然、集中料などは落ちているものと思われ、ただ単に「落ち着きがない」と見られているのだとしたら、非常にかわいそうなことだ。

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県内で原発事故関連の自殺、後絶たず 支援員確保が課題

 

 東日本大震災東京電力福島第一原発事故が原因とみられる自殺が県内で後を絶たない。内閣府のまとめでは、今年1月から7月末までに11人に上った。高齢の避難者が目立ち、専門家からは心のケアや見守り活動の一層の充実を求める声が出ている。一方、県が平成27年度、400人を目標に募集した生活支援相談員は273人にとどまり、人材確保が課題となっている。
■70代が最多
 自殺者の年代別内訳などは【表1】の通り。11人のうち10人が避難者で、仮設住宅の入居者は2人だった。男性は8人、女性は3人。年代別には七十代が4人で最も多く、六十代が3人、八十代1人と続いている。
 統計を始めた23年6月からは本県が72人で最も多く、岩手を39人、宮城を32人上回っている。今年、岩手、宮城は7月末までにそれぞれ1人だが、本県は10人を超え昨年1年間の15人に迫っている。
■心のケア必要
 7月までの県内自殺者の原因・動機(最大3項目まで計上)は不明の5人を除けば、健康問題が4人で最も多い。
 避難生活が間もなく4年半を迎える中、精神的ストレスが極度に高まり心身の健康に影響が出ているケースもあるとみられる。福島医大災害医療支援講座の堀有伸特任助教(43)=精神科医=はこれまでの診療経験を踏まえ「今もなお避難が続き、復興が目に見える形で進んでいない現状が自殺の背景にある。原子力災害の関連死と言える」と指摘。避難者の心のケアに加え、仮設住宅などを巡回する相談員に対するさまざまな支援も必要になると訴えている。
 趣味の活動などを通じ、避難者が避難先の地域社会に溶け込む仕組みづくりが必要だと説く社会福祉学の専門家もいる。
■雇用は単年度契約
 県は避難者支援を充実させるため、仮設住宅や借り上げ住宅で悩み相談を受ける生活支援相談員を400人に倍増するとした。
 県は、雇用が単年度契約であることが目標に130人程度届かない背景にあるとみている。担当者は「同じ職場で複数年働ける確実な保証がないため、人が集まりにくい傾向がある」と説明する。
 相談員の人件費は国の補助金で賄われている。県は複数年契約が可能になるよう、国に補助金の弾力的な運用を求めているが認められていない。
 「行政では複数年にわたる公共事業以外、予算を単年度で使い切るのが原則。慣例を打ち破るのは難しい」と語る県関係者もいる。

カテゴリー:主要

<中間貯蔵>会津地方で初の試験輸送

水面下で着々と進められている。
そして図った数値などは全く一般に公表されない…

<中間貯蔵>会津地方で初の試験輸送 | 河北新報オンラインニュース

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環境省は8日、東京電力福島第1原発事故で発生した除染廃棄物を中間貯蔵施設に試験的に輸送する作業を福島県会津美里町で始めた。会津地方で試験輸送を実施するのは初めて。
 同町では、沼田地区の国有林の仮置き場に廃棄物約2800立方メートルを保管。試験輸送では、このうち約1000立方メートルを約1カ月かけて大熊町の中間貯蔵施設の保管場に搬出する。
 10トントラック10台が1日1往復する予定で、磐越自動車道常磐自動車道などを経由し、片道3時間かけて運ぶ。
 8日は汚染土などが入った黒い袋を重機でトラックに積み込み、放射線量を測って運び出す様子が報道陣に公開された。
 試験輸送は3月に始まり、双葉郡8町村を含む14市町村で実施。会津地方では雪の影響を考慮して輸送を計画。9月下旬からは会津坂下町、10月下旬からは湯川村で予定されている。

 

柏崎原発ー自民県連「仕方ない」 野党は批判 自民党総裁選 (新潟日報)2015/09/09 09:35

安倍氏が党首再選の陰でーやはり心配なのは再稼働。

http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20150909204277.html

自民県連「仕方ない」 野党は批判
自民党総裁選 

自民党総裁選で安倍晋三首相の無投票での再選が決まった8日、
県内の与党関係者は無投票を残念がる一方で、
地方経済の活性化へ向けた取り組みを期待した。
野党側は「安倍1強体制」を強く批判し、
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働へ向けた動きなどを警戒した。

    ◇    ◇

<自民、無投票に一定の理解>

 党員の増加を目指す自民党県連の小野峯生幹事長は「党員資格で(投票権が)うたわれているわけだから、投票があった方が好ましい」としたが、安全保障関連法案など重要法案の審議が進んでいることを念頭に「人材がいないわけではない。仕方がない」と理解を示した。

 「期待するのは景気回復。参院選に影響しかねない。できなければ政権運営が難しくなるかもしれない」と注文を付けた。

 「積み重ねてきた景気対策や地方創生にもっと力を入れていただきたい。拉致問題でも突破口を開けてほしい」と期待したのは公明党県本部の志田邦男代表。ただ無投票に「安保を含めた課題について国民の前で議論が行われても良かった」と話した。

    ◇    ◇

<野党、安倍1強体制を非難>

 一方、野党は再選に反発を強めた。民主党県連の内山五郎幹事長は「自民党の党内民主主義が崩壊していることが如実に表れた。安倍1強体制でものが言えない」と指弾した。

 安倍政権の経済政策を「アベノミクスは崩壊している。地方には効果が及んでいない」と批判。来夏の参院選に向け「首相は自信を持ち、さらに右傾化するだろう。アベノミクスはアベノリスクだということをしっかり伝える」と述べた。

 「再選したということは、国民世論に反して強引に物事を進める路線が変わらないということ」と問題視したのは、共産党県委員会の樋渡士自夫委員長。「人々の声は『戦争法案反対』から『安倍辞めろ』になってきている」と対決姿勢をあらわにした。

 社民党県連の渡辺英明幹事長は「原発推進路線でどんどん再稼働をやろうとしてくるだろう」と警戒。「経済政策も地方に波及せず、破綻している。断固反対をし、戦争法案などと合わせて重層的な戦いをしていく」と強調した。

震災被災3県の子、貧困化深刻 就学援助、1万7千人増加

行政も、お金をばら撒く、振りまくだけでなく、一人一人の生活を見つめた支援や救済が必要だということを、わかっていないのだろうか?

いまや、復興は影をなくしーオリンピック問題や、新安保に目が奪われているが。
すべての問題の根源は「声なき者たち、小さき幼き者たちを犠牲にしていることに気がつかず、無知で傲慢な為政者=猛者たちの行いに起因している。」

時間の流れは、問題を深刻にしていっていると思う。


東京新聞:震災被災3県の子、貧困化深刻 就学援助、1万7千人増加:社会(TOKYO Web)

東日本大震災被災した岩手、宮城、福島3県で、家計が厳しく、修学旅行費の補助など行政の就学援助の対象になった小中学生が、最新データの2013年度で、震災前(10年度)と比べ約1万7千人増の約6万7千人に上ることが9日、分かった。

 震災後、保護者の生活再建が進んでいない影響とみられる。13年度以降も状況は好転していないとの指摘もあり、支援団体は「金銭的理由で進学を諦めたりして貧困の固定化につながる恐れがある」と、将来にわたる影響を懸念する。

 各県の教育委員会が把握するデータを共同通信が集計した。

(共同)

 

震災4年目のデータを歩くーデータを検証してみました。(米+魚編)

この国の異常な基準値100ベクレルを許容するというものがー
みんなを被曝させますよ!と言っている。
そういうことなんだね。

Q1)2014年の福島県産米約1075万袋のうち国の基準値

(1キロあたり100ベクレル)を上回ったのは何袋でしょうか。

A)基準値超えゼロ、初めて達成

   全量全袋検査と呼ばれ2012年に始まった。
 すべての件三枚が対象で1袋ごとに放射性セシウム濃度を調べる。基準値を超えると廃棄される。
基準を超えたのは12年産米では71袋、13年産米では28袋だった。

でも!!100ベクレルって…安全なの???
と、私は思ったもんだから調べてみた。▼これを読んでちょうだいな。
とんでもないよ…この基準…だから実害被害で不買を推進させてしまうことを国が先行してやってしまうからさらに福島県産をかわない人が増える。
この基準のつけかたが問題。

諸悪の根源→食品安全基準100ベクレルを…矢ケ崎克馬教授が切る!

質問(質問者:栃木県/30代/主婦)
放射性セシウムの食品の規制値についてご質問します。
政府の基準値である乳児用食品は50ベクレル/1kg以下の放射能汚染された食品なら子供達に食べさせても安全でしょうか。
大人である私達の場合、一般食品の基準値である100ベクレル/1kg以下の食べ物なら口にしても健康被害は絶対に出ない、大丈夫と考えていいのでしょうか。

回答(回答者:矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授)
矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

■子供は1ベクレルでも大問題

安全か?という点で言えば50ベクレルは、まるっきり安全ではありません。根拠のない数字です。このことで今、大阪のがれき裁判に私が提出している意見書にも、特に強調して書いてあることなんですがね。

内部被曝から体を守るためには徹頭徹尾、放射能汚染された食品を口にしない。

これを目指さなくてはいけない。やむを得なく、食べざるを得ないとしても赤ちゃんや子供達については1kgあたり1ベクレルもあったら大問題です。

ですから子供達に「50ベクレル/1kg以下の放射能汚染された食品なら食べさせても大丈夫」なんていう日本の基準値は、国家による児童虐待であり許しがたいことです。

日本政府が事あるごとに参考にしている国際放射線防護委員会(ICRP)が、被曝被害をいかに過小評価しているかということがわかる数値があります。欧州放射線リスク委員会(ECRR)という団体が、広島、長崎で原爆が落ちた1945年から1989年までの間に原爆の投下や核実験、原発からの放射線によって命を失った人は全世界で6,500万人という統計が発表されています。それに対して国際放射線防護委員会は117万人しかいないと言うんです。

国際放射線防護委員会(ICRP 欧州放射線リスク委員会(ECRR
117万人 6,500万人

欧州放射線リスク委員会(ECRR)が放射線によって命を失ったと考えている全世界6,500万人の中で、小児がんなどで命を失った子供達が160万人、お母さんのおなかの中で胎児のまま死んでしまった子供達が190万人と推計しています。

このような認識の違いが出る原因としてICRP内部被曝をまったく否定している。

例えば、原発の風下にある牧場に放射性物質が降り注いで、その草を食べた牛の牛乳に放射性物質が入って、それを赤ちゃんが飲んで命を失う可能性もある。そういう可能性自体をまったく否定している。子供や胎児が死亡するはずがない、そう決めつけているんです。

だからICRPの考え方を鵜呑みにした日本政府は「乳児用食品は50ベクレル/1kg以下なら安全」なんでいう…とんでもない数値を設定している。

子供の安全を守るという点では、まったく見当違いな数値です。

■大人でさえ10ベクレルが限界

やっぱりみんな食べたいものがあって、食べ物を制限すると大変なので、ある程度妥協せざるを得ない部分もあるのだけれども。

大人は1kgあたり100ベクレルまでは大丈夫だなんて国の食品衛生管理委員会が発表して日本の基準値ということで流れておりますが。これも健康を守るという意味での値ではまったくないです。

私が「食べない方が良い」はっきり言えるのは10ベクレル。10ベクレルもあれば食べません。

ドイツは放射線防護令(2001年SSV)※1という日本にはない法令を持っています。この法令により1年間0.3ミリシーベルトという法的なガードがかかっているのです。

これに基づいてドイツ放射線防護協会という団体が、いろんな仮定をしながら計算をするとセシウム137は大人で8ベクレル、子供で4ベクレルこれが限界だと2011年3月20日に提言※2している。

現実問題として食品制限の100ベクレルは少なくとも現在の10分の1…1kgあたり10ベクレル以下に健康を守る値(あたい)にして、それ以上は全部排除しなければならない。

現状では、日本の1億2千万人すべての日本国民、全住民が内部被曝の被害にあう危険性があると私は考えています。

■消費者も農家も守れる基準値を

今の日本には、チェルノブイリ法では「強制移住」「生産禁止」にあたる汚染ゾーンに100万人規模の人々が住んでいます。放射能汚染された田んぼや畑でお米や野菜を作らざるを得ない人達がたくさんいるのです。

この農家の人達は、日本の政治ゆえに、放射能汚染を承知でお米や野菜を作って、放射能で汚染された農産物と知りつつも売らないと生きていけない状況に追い込まれています。

このように追いつめられてしまって、消費者は内部被曝したくないから当然汚染地域の作物は避けようとします。全国各地で放射能汚染地帯の農産物が買い叩かれ、大安売りされてしまっていますけれども、これは日本政府による…農家も消費者も守っていない…住民切り捨ての政治から生じている悲劇です。農家も消費者も守っていない現在の食品の基準値からきています。

国は、1kgあたり10ベクレルを基準値にして1ベクレルまで確実に測れる体制をとっていかないといけない。

消費者の健康を守れる食品の基準値にして、基準値を超えた食品は流通させずに東電に賠償させることが、消費者と農家の両者にとって不可欠なことです。

チェルノブイリ事故後の被害は根本的な基準の見直しを迫っています

チェルノブイリ事故の被害記録を見ると、日本の食品中の「放射能規制値」も「20ミリシーベルト以下は安全」という「安全基準」も、政府が如何に放射能の危害を軽視しているかということを歴然と物語っています。

IAEAは「事故後に出た健康被害甲状腺がんだけ」と今も言い続けています。しかし実際には、多種多様なあらゆる健康被害が記録されています。ICRPは「100ミリシーベルト以下の組織的変化(確定的影響)は認められない」としていますが、その100分の1から1000分の1程度の被曝量で多大な組織的影響の健康被害が出ています。

ICRPの一般論からのリスク評価は現実に出ている健康被害の100分の1ほどにしかなりません。ICRP等が事実を説明できないことは明らかです。被害事実を認めないやり方はここにまで至っているのです。市民の基本的人権を踏みにじる行為なのです。

このように現実のリスクを言い表すことに失敗しているICRPに依拠した基準は即刻撤回させるべきです。

編集後記
矢ケ崎克馬教授が話されたドイツ放射線防護協会は科学者の団体ですが、その勧告…セシウム137なら大人は8ベクレル、子供は4ベクレル…は世界的に見ても非常に厳しい基準です。この基準…私の知る限り世界一厳しいんじゃないでしょうか。

その厳しいドイツ放射線防護協会の基準をあえて、矢ケ崎克馬教授が原発事故から3年半年たった今、改めて話されたのは、当たり前の話ですが食べ物に含まれる放射性物質は少なければ少ないほど良いわけです。もともとセシウムは、毒性を持った放射性物質なわけですから。

さらに研究者や農家がセシウムに汚染された土壌と向き合い、表土をはぎ取ったりゼオライトやカリ成分を散布するなどの栽培方法の技術革新により、農作物への移行を減らす成果が福島県をはじめとする各地で報告され始めています。

そういう今だからこそ矢ケ崎克馬教授は「手綱を緩めず、限りなく0を目指せ!」とはっぱをかけて下さっているのだと思います。

※1 http://www.nsr.go.jp/archive/nsc/shinsashishin/pdf/3/ho1011.pdf
※2 http://www.strahlentelex.de/Empfehlungen_jp.rtf

Q2)2013年の福島県の漁業は回復したのでしょうか?
2010年の何割まで回復したのでしょうか?

解答あなたの答え

  4536回答 51.4%

解答

  4297回答 48.6%
答え

どちらも正解

漁業は復旧したの?

 福島県の漁港に水揚げされた量をみる属地統計か、福島県内の会社や漁師がとった量を見る属人統計かで、数字が変わる。一度に大量の漁獲があるサンマ棒受け網漁や巻き網漁が試験操業海域外で操業しているため、農水省の海面漁業生産統計調査(属人統計)では2013年の漁獲量は2010年の6割程度を維持する。

じゃ?その魚は安全なんだろうか?
調べてみました。

Q.1 水産物の放射性物質の基準値はいくつでしょうか。

A.平成24年4月1日から、水産物の放射性セシウムの基準値は100 Bq/kgとなっています。

なお、平成24年3月31日までは暫定規制値(500 Bq/kg)が適用されていました。

水産庁/水産物についてのご質問と回答(放射性物質調査)

http://www.jfa.maff.go.jp/j/sigen/gaiyou/pdf/150903kousin.pdf

 

米1キロにつき100ベクレルが大丈夫と言い、今度は平成24年3月31日までは500ベクレルが適用されていた。今は100ベクレル!!!それでも世界初の人体実験状態をしているのではなかろうか。
そしてこの二つ目のPDFを見ると危険極まりない都合の良い解釈しか出ていない。
「海洋漁については排出される」という記述が強調されている。
また、去年の9月までのデータしかなく今は分からない。
一つ一つを検体していくと今まさに肉まで危ないのは淡水魚だけなのだろうか…という危惧で落ち着くが。
しかしこの基準値を設けているということが、何をかいわんや。

隠蔽に次ぐ隠蔽は、不審しか生まず不信となり、漁類を敬遠するようになる。
そんなことは当たり前の人の心理。