いま何が起こっているのか?

3.11以降のことを原発・放射能の影響・エネルギー問題などの記事を記録している

日本農業新聞 2月16日(月)13時56分配信


メガソーラー建設 業者 無断で森林伐採 福島県相馬市 (日本農業新聞) - Yahoo!ニュース

福島県相馬市で大規模な太陽光発電施設(メガソーラー)建設をめぐり、森林伐採トラブルが発生している。森林所有者の同意を得ず、発電を計画する民間業者が約8700平方メートルにわたって木を切り倒した。所有者13人は、業者に賠償請求しているが、解決に至っていない。所有者の80代の女性農家は「再エネブームで田舎の森林が狙われている。全国どこで起きてもおかしくない」と警鐘を鳴らす。

・買い取り制度が発端

 同市坪田地区の山林。「ここに太くて大きい木が200本以上もあったんだよ。ご先祖様から受け継いだ自慢の山だったのに・・・」。目の前に横たわる木や切り株を見詰め、農家の島美智子さん(79)は悔しがる。

 島さんが無断伐採を知ったのは2012年夏。ちょうど再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まる時期だった。「山は財産だ」と教えられて育ってきただけに、怒りがこみ上げる。

 森林の木を切る場合、市区町村へ伐採届の提出が森林法で義務付けられている。林野庁は「メガソーラーなどを建てるために全ての木を伐採する場合、伐採者と造林者(森林所有者)が連名で伐採届を提出するよう求めている」という。

 相馬市によると、伐採届には業者名しかない。所有者の同意を得ていないことから、市は業者による「誤伐採」とみる。所有者の一人は「業者は、複数の所有者がいることを知らなかったのではないか」と推測する。

 メガソーラー建設をめぐる森林伐採のトラブルは各地で相次ぐ。山梨県身延町では昨年9月、同市に伐採届を提出しないまま、山林3.9ヘクタールが伐採されたことが判明。同町は「無届けで伐採するのは初めてのケース。固定価格買取制度をきっかけに発生した問題」(産業課)と困惑する。和歌山県などでも昨年、森林の違法開発が発覚した。

 こうした問題を踏まえ、経済産業省は15年度以降、再エネの固定価格買取制度に申請する業者に対し、森林法など同省の管轄外の法律に反していないかを確認し、同省に報告するよう求めることに決めた。ただ、「あくまで発電業者が必要な法律を把握しているのが前提」(資源エネルギー庁)で、トラブル防止につながるかは不透明だ。

 農林中金総合研究所の寺林暁良研究員は「国はこれまで再エネを増やす方針だったが、地域との調和という視点に立ち、トラブル防止の体制を積極的に整える必要がある」と指摘する。(尾原浩子)