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【特集】放射性物質、浴びたらどうする?

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身を守るための対処法

東日本大地震で被害を受けた東京電力の福島第1原子力発電所では、爆発事故により、放射性物質が風に乗って広範囲に飛散したとみられている。各地で測定された放射レベルは現時点ではすぐに健康に影響が出る値ではないが、放射線を浴びた場合、どのような処置をとればよいのだろうか。経済産業省原子力安全・保安院の資料や放射線医学総合研究所千葉市)の資料からまとめた。

 まず放射線から身を守るには、放射線源に近づかず、大気が汚染されている場合は、外気から遮断された室内にいることが重要だ。窓やドアは全て閉め、外気を取り込む換気扇も止めよう。

 避難など外に出なくてはならない場合には、放射性物質を吸い込む「内部被ばく」を防ぐため、水にぬらしたタオルを鼻や口に当てた方がいい。帽子をかぶりマスクをするなど、できるだけ肌を露出しない工夫も必要だ。

 汚染された水や食料を摂取すると体内に蓄積され、内部被ばくの一因となる。安全が確認されるまでには、避難区域内の作物を食べるのは避けた方がいい。

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付着してしまったら?

放射性物質が付着してしまった場合にはどうすればよいのだろうか。放射性物質は、風で運ばれる目に見えないちりだ。そのため付着してしまったら、花粉症対策と同じように、「除染」を行う必要がある。

 まず着ていた服や靴は脱ぎ、ポリ袋に入れて口を縛る。その後、シャワーを浴びて体や髪を洗えば、放射性物質をかなり落とすことができる。ぬれた布やウエットティッシュで体を拭くことも効果的だ。

 放射性物質ヨウ素を体内に取り込んで内部被ばくしてしまった場合には、医師が処方する安定ヨウ素剤の服用が重要だ。しかし、うがい薬やのどスプレーなどヨウ素が入った薬は、ヨウ素以外の成分が多く含まれているため、飲んではいけない。

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自然界に存在する放射線

そもそも放射線は自然界にも存在し、われわれは何もしなくても年間2.4ミリシーベルト程度を浴びている。

 全身に一度に大量に浴びた場合、500ミリシーベルトで血中のリンパ球が減少、7000~1万ミリシーベルトでほぼ100%死亡するとされる。胃のエックス線集団検診は1回0.6ミリシーベルトだ。

 15日に福島第一原発3号機付近で測定された毎時400ミリシーベルトは、いちどきに全身に浴びた場合、血中リンパ球が減少するレベル(250~500ミリシーベルト)ではある。

 しかし実際には、ある場所のレベルが一定値で継続し続けるわけではないため、健康に与える影響を予測するのは難しい。このレベルでも、一瞬浴びただけなら問題ないとも言える。

 

 

 

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