いま何が起こっているのか?

3.11以降のことを原発・放射能の影響・エネルギー問題などの記事を記録している

台風18号で汚染水大量流出防げず。台風も想定外で済ませるのか?

2013年も立て続けに2つの台風が福島を通り、
その時の東電の答えは
「細かい対策は今、まさに詰めているところ。クレーンをたたんでおく、ホースをきちんと縛っておく、タンクの溶接を点検する、海上工事は一旦停止する、といった基本的な対策はすでに準備しています。雨がひどい場合、ノッチタンクに一度貯めて、線量を測った上で対応する予定です。それでも間に合わない場合については対応を再度、考えることになると思います」

そして2年たって今回も大量の汚染水流出。
東京新聞の記事を読んでいただきたい。
東電は国民からこうした無対応を批判されないことをいいことに
今回も 東電は、汚染水減らしのための地下水放出では、放射性セシウム137で一リットル当たり一ベクレル未満など厳しい基準を設けているにもかかわらず、K排水溝問題では数百ベクレルの汚れた水が流出しても対策を取れずにいる。

はっきり言って、三陸、宮城、福島近海の魚をこの状態で買う人がいるのだろうか?
国民の健康を第一に考えるー(今日、安倍氏は「人命救助を第一に」と言ったが)
ならば、正確な海水の汚染度合いのデータを新聞に公表するべきだろう。
都道府県等における水産物放射性物質調査結果(平成27年度)

http://www.jfa.maff.go.jp/j/housyanou/pdf/150910_result.pdf


風評被害を助長させているのは隠蔽体質以外なにものでもない。
このPDFを目を皿のようにしてみろ!というのか。

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東京電力福島第一原発で九日、原子炉建屋周辺の雨水などを集める「K排水溝」の水が、堰(せき)を越えて外洋に流出した。四月以降、確認されただけでも六回目。東電は排水溝の中が狭いためポンプ増強は難しく、溝の付け替えが終わる来年三月ごろまでの間、「新たな対策を取る予定はない」としている。有効な手立てがないまま、台風などでまとまった雨が降るたび汚染水が流出する可能性が高い。(小倉貞俊)

 K排水溝をめぐっては二月、東電は溝を流れる水に高濃度の放射性物質が含まれ、外洋に流れているのを知りながら、問題を放置していたことが発覚。港湾内に注ぎ込むよう、溝を付け替える工事を始めた。ただ完了までまだ半年以上かかる見込み。

 それまでの暫定対策として四月から溝をせき止め、たまった水を八台のポンプでくみ出して港湾内につながる別の溝に流し込む作業を実施。だが、ポンプのくみ上げ能力は毎時計二千トンで、一時間に一四ミリ以上の雨が降ると水が堰を越えてあふれる。

 東電は流出は年に四~五回としていたが、短時間でまとまった雨が降っても流出することが判明。九日も一四ミリには達しなかったが、二時間半にわたってあふれたという。

 原因はポンプの能力が足りないためだ。東電は、ポンプを増強しようにも、溝の出口付近は急な傾斜のためスペースがないと説明する。高さ八十五センチの堰を高くしすぎると「敷地側でうまく排水できず、あふれてしまう恐れがある。汚染を広げかねない」(東電の担当者)。状況は改善できないという。

 東電は、汚染水減らしのための地下水放出では、放射性セシウム137で一リットル当たり一ベクレル未満など厳しい基準を設けているにもかかわらず、K排水溝問題では数百ベクレルの汚れた水が流出しても対策を取れずにいる。

 
 

 


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当時2013年の記事は下に)

大型で強い台風26号が16日にかけて、関東地方に接近する。「関東に接近する台風としては10年ぶりの強さ」と気象庁では、大雨と暴風に注意を呼びかけているが、福島第一原発の汚染水漏れは、大丈夫なのだろうか。

今回の台風が懸念されるのは、東京電力は9月16日、台風18号の大雨により、汚染水を貯めるタンクに溜まった水を放出した事実があるからだ。放射性物質ストロンチウムの濃度が、海への排出基準を十分に下回っていると理由を説明している。

東京電力は16日午後、台風18号の大雨で、福島第一原発で汚染水をためているタンク周囲の堰(せき)の内側にたまった水を放出した。ストロンチウムなどの濃度が法で定める放出限度(1リットルあたり30ベクレル)より低いといい、緊急措置と説明している。水は周囲の土壌に流れ、原発内に降った雨水と一緒になり、最終的には海に流れる可能性がある。


朝日新聞デジタル福島第一、汚染水タンク周囲の水放出 台風で緊急措置」より 2013/09/16)

 
 

安倍首相は9月7日、2020年のオリンピック開催地を決めるIOCの総会で、「汚染水はコントロール下にある」と断言。9月19日にはすでに廃炉が決まっている1〜4号機に加え、5号機、6号機の廃炉東京電力に要請している。

汚染水への対応では首相も「国が前面に出て私が責任者として対応していきたい」と記者団に強調。「影響は湾内の0.3平方キロメートル以内の範囲において完全にブロックされている」と明言した。ただ、先の国際オリンピック委員会(IOC)総会で述べた「状況はコントロールされている」との表現は使わなかった。


時事ドットコム5、6号機の廃炉要請=安倍首相が東電社長に-福島第1原発」より 2013/09/19)

 
 

一方で、海外のメディアや識者は汚染水問題に総じて批判的で、科学雑誌の権威「Nature」では、「政府の対応が遅すぎる」としているほか、アメリカ・原子力規制委員会の元委員長だったグレゴリー・ヤツコ氏は、「汚染水のコントロールは不可能」と述べるなど、厳しい意見が多い。

東京電力は9月27日、汚染水の対策の詳細について発表。遮水壁の設置や、貯水タンクの溶接方法の見直し、地下水を組み上げて建屋内への流入を防ぐなど、抜本的な対策に道筋をつけた。

では、「10年に1度」とされる今回の台風については、どのような備えをしているのか。東京電力はハフポスト日本版の電話取材に対して、以下のように回答している。

「細かい対策は今、まさに詰めているところ。クレーンをたたんでおく、ホースをきちんと縛っておく、タンクの溶接を点検する、海上工事は一旦停止する、といった基本的な対策はすでに準備しています。雨がひどい場合、ノッチタンクに一度貯めて、線量を測った上で対応する予定です。それでも間に合わない場合については対応を再度、考えることになると思います」