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<廃炉原発>福井県が課税へ 使用済み核燃料も毎日新聞 5月19日(木)11時57分配信

とんでもない記事だ。
これこそ!貧困地方行政のやくざ的な発想。
これが朝日新聞に記載されて、今日の福井県のニュース。
これをどう思うか?
原発政策を推し進めたのは、
作もなく頭もなく、やくざの親分につき従う地方行政(子分たち)のせいも十分にあったことが証明されてしまったね。

課税「困ったら原発か」 使用済み核燃料を収入源に

大谷聡、山田佳奈

2016年4月4日09時07分朝日新聞

行き場のない使用済み核燃料を新たな収入源とする。そうした動きが原発立地の自治体で広がっていた。東電福島第一原発事故から5年。「使用済み燃料が留め置かれることになってしまう」と懸念の声があがる。

佐賀県玄海町

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 「平成29年度にはやりたい」。佐賀県玄海町の岸本英雄町長は3月10日の町議会で、法定外税の使用済み核燃料税を始めると表明した。

 人口約6千人の町。歳入の6割を原発関連収入が占める。だが、九州電力玄海原発の1号機は廃炉が決まり、3、4号機の再稼働も見通せない。電源三法交付金や、経年で下がる固定資産税は、今後大幅に減る見込みだ。2017年度には地方交付税の交付団体に転落する恐れもあるという。

 町が目をつけたのが原発内にたまる使用済み燃料だった。同じ九電川内原発がある鹿児島県薩摩川内市を参考にした。「川内が取っているならうちも、と考えた。うちは廃炉で苦しいのに、金額が川内より少ないのは考えられない」。岸本町長は取材にこう話す。

 ただ、課税を始めると、それで得られる4億円に依存するようになる。気付くと、カネを生む使用済み燃料は町内にずっと留め置かれ、実質的に中間貯蔵になってしまう――。こう懸念する町議もいる。

 岸本町長は「原発依存度は下げたいのでジレンマは感じる。しかし、地方の小さな自治体にとって使用済み核燃料税は生きるすべだ」と言う。

町は交付金など15億3千万円をかけて「町次世代エネルギーパーク」をつくり、13年7月にオープンさせた。だが14年度は来場者は目標の半分に満たなかった。

 玄海原発に対しては、県も核燃料税を課している。原子炉の出力に応じて課税し、15年度の税収は18億6千万円。だが、このうち玄海町に交付されたのは7500万円にとどまる。

 マダイやトラフグの養殖筏(いかだ)、漁船用の桟橋、園芸用設備……。町は県からの核燃料税交付金を主に1次産業支援に使ってきた。だが16年度は福祉を中心に使う。町財政企画課は「一般財源だけでは立ちゆかない。町民生活を支える一つに、使用済み核燃料税も使えれば」と言う。立地自治体では似た財政状況のところが多い。

 原発から2キロ。経営する民宿で、溝上孝利さん(57)は使用済み核燃料税導入の一報を聞いた。「また『困ったら原発』か」

 利用者のほとんどが原発作業員で、福島の事故直後に宿泊客がほぼゼロになった。どう従業員の雇用を守るか。夜も眠れなかった。

 いまは再稼働に向けた工事で作業員の宿泊が戻ったが、溝上さんは少年スポーツ合宿の誘致や街おこし活動を始めた。「原発にお世話になってきたけれど、そろそろ卒業させてほしい」

青森県むつ市

 どちらが課税するか。立地の県と市はせめぎあう。

 青森県むつ市は09年、使用済み核燃料税条例の素案をつくった。市内では使用済み燃料中間貯蔵施設が建設中だった。

 青森では、六ケ所村再処理工場にある使用済み燃料などに、県が90年代から課税を続けてきた。税収は年間200億円程度にものぼるが、六ケ所村むつ市など立地市町村には全く配分されていなかった。

 条例素案をつくったのはなぜか。「原子力施設はみな下北半島にあるのに、県が課税するだけで地元にカネは来ない。それなら自分で課税しようと考えた。早い者勝ちということ」。むつ市幹部は振り返る。

 しかし11年、福島原発事故が発生。市は社会情勢から新たな条例は困難とみて、素案を棚上げして県からの配分に狙いを変え、同年10月、核燃料税交付金制度の創設を県に求めた。

 交付金制度は12年度から始まった。最大計20億円で、立地の4市町村と周辺11市町村が半分ずつ得る仕組み。金額は14年度に30億円に上がった。県の担当者は「全国最高金額にしたかった。他県を調べると、福井県が30億円配った年があったので、その金額に設定した」と言う。

 むつ市には14年度、県から交付金3億2千万円が入った。市は全額を一般廃棄物処理に使っている。

■広がる独自課税

 原発立地から年月が経つと減っていく電源三法交付金を補うように、立地自治体による原子力関係の独自課税は拡大を続けている。

 「先駆的に研究し、新たな制度も採り入れてきた」

 福島原発事故から5年の3月11日。福井県西川一誠知事は県議会で、使用済み燃料廃炉中の原子炉への二つの課税を新たに始めると表明し、こう述べた。

 立地自治体による課税は、76年に福井県が始めた核燃料税が皮切りだ。原子炉に入れられる核燃料の価格の5%をとった。92年までに立地の全12道県が続き、福島の事故前までに税率も12%前後まで上がった。00年代初めには、立地県が税率を上げる際に電力会社が反発し、議論を呼ぶこともあった。

 福井県は福島の事故後の11年11月、核燃料税の仕組みを変えた。それまでは原発が動いているのが前提だったが、停止中も一定の税収があるよう、原発の出力に応じて課税する「出力割」を始めた。出力割も15年までに、福島・宮城両県を除く10道県が続いた。

 そして今回、福井県使用済み燃料廃炉中の原子炉への課税に乗り出す。使用済み燃料への課税について、西川知事は「県外搬出を促進する仕組みを採り入れたい」としている。だが、使用済み燃料を再処理して再び燃料に使う核燃料サイクルが進まない中、中間貯蔵施設など搬出先が決まるめどはたっていない。

 全国の原発にある使用済み燃料に、既に実施している柏崎市の税率を当てはめると、すべてに課税すれば約71億円になる。福島原発事故後、福島第一の6基を除いても、すでに6基の廃炉が決まっている。(大谷聡、山田佳奈)

     ◇

 〈法定外税〉 住民税など地方税法で定められた税目以外に、地方自治体が独自に条例をつくって課す税。産廃税や別荘税などが知られるが、核燃料税や使用済み核燃料税といった原子力関係が金額で全体の7割を占める。設置には総務相の同意が必要だが、不同意はこれまで1件のみ。原子力関係の税では電力会社側の意見を聴く仕組みがあるが、地方財政審議会では「電気料金を負担する住民の意見を聴取する機会も必要だ」とする指摘が出ている。

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そして今朝のニュースだ!
廃炉原発福井県が課税へ 使用済み核燃料も
毎日新聞 5月19日(木)11時57分配信
福井県は、原発などの敷地内に5年を超えて保管されている使用済み核燃料と、廃炉原発を新たに課税対象にする方針を固めた。6月3日開会の定例県議会に条例案を提案する。実現すれば収入が年約30億円増える見通しという。使用済み核燃料への課税は新潟県柏崎市などの例があるが都道府県では初めて。廃炉原発への課税は全国初で、他の原発立地自治体の施策にも影響を与えそうだ。


 福井県は現在、原子炉に挿入された燃料の価格に応じて課税する「価格割」と、停止中の原発でも出力規模に応じて課税する「出力割」の2種類の方法で、電力事業者から核燃料税を徴収。年約60億円(2014年度)の収入がある。

 しかし、県内の商用原発全13基と高速増殖原型炉もんじゅが停止し、うち3基の廃炉が決まっており、税収減が課題に浮上。現行の核燃料税条例が11月に更新時期を迎えるため、課税方式の見直しを進めていた。

 これまで、西川一誠知事は使用済み核燃料の中間貯蔵施設の県外立地を求めており、使用済み核燃料への課税は、保管が5年を超えて冷却され、移動が可能になった核燃料の県外搬出を促す狙いとしている。金額は1キロ当たり1000円とする方向。県内には現在、3680トンの使用済み核燃料があり、このうち約8割が対象となる。

一方、「出力割」も見直し、廃炉原発を対象に加える方針。現在課税対象の原発の税率(出力1000キロワット当たり年18万3000円)の半分を適用する考えだ。廃炉が決まった日本原子力発電敦賀原発1号機(敦賀市)、関西電力美浜原発1、2号機(美浜町)と、日本原子力研究開発機構廃炉作業を進めている新型転換炉ふげん(敦賀市)が対象になる。

 新税制の実際の導入には、総務相の同意が必要。【岸川弘明】

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