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原発の運転員 20%超が運転経験全くなし 9月21日 19時22分

この酷い内容のNEWS。

結論ー原発技術者を育てるためにも再稼働させよ!という意図を感じざるを得ない。

全くー本末転倒なことを言っている。

そのために周辺住民の生活が危険にさらされることなど考えもしないのか?

 

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東京電力福島第一原子力発電所の事故から4年半、鹿児島県にある川内原発の再稼働から1か月余りがたちました。全国の原発では運転停止が続くなか、最前線で安全を担う運転員のうち運転経験が全くない人が20%、5人に1人を超え、大きな課題となっていることが分かりました。
NHKは福島第一原発の事故後、各地の原発で続く運転停止の影響を調べるため、原発を保有している全国の電力会社10社にアンケートを行いました。
この中で、先月末の時点で運転員のうち、原発を運転した経験がない人がどれぐらいいるか尋ねたところ、平均でおよそ22%、5人に1人を超えていました。発電所ごとに見ますと、先月、再稼働した鹿児島県川内原発がおよそ40%と最も高く、島根県の島根原発がおよそ37%、愛媛県伊方原発がおよそ33%、佐賀県玄海原発がおよそ30%などとなっていて、電力各社では原因として原発停止後に入社した運転員が増えていることを挙げています。
原発は運転の手順書だけでも数千ページに及び、最前線で安全を担う運転員は核燃料や放射線の知識のほか、電気や機械、化学など総合的な知識と経験が必要なため、「10年で一人前」と言われています。現場ではベテランの「当直長」以下、およそ10人の班が交代で運転に当たりますが、今回の結果は、このうち平均で2人以上が未経験者という計算になります。
電力各社は対策として、制御室を再現した施設で事故対応を含めた訓練を行っているとしているほか、火力発電所で研修を行い、運転感覚を養っていると答えたところもあります。
一方で、「音や熱、振動など、人間の五感で感じる部分の技能の確保が課題」、「実機での実操作ができないことから起動停止に関しては技術力の低下が懸念される」という回答もあり、運転経験の空白をどう補うかが課題となっている現状が浮き彫りになっています。

伊方原発 3人に1人運転経験なし

ことし7月に原子力規制委員会の審査に合格した愛媛県の伊方原子力発電所3号機について、四国電力は年明け以降に再稼働を目指す見通しです。
しかし、福島の事故の翌年にすべての原発を停止して以来、運転のブランクは3年半を超えているうえ、運転員の3人に1人は、そもそも運転の経験がありません。このため、四国電力は再稼働に向けて、原発の中央制御室を再現した施設で重大な事故などを想定した訓練を繰り返しています。
その現場の取材が特別に許可されました。訓練の想定は、原子炉の冷却水が不足して核燃料が溶けるおそれが発生し、原子炉の圧力を下げるなど、さまざまな操作をして冷却水を注入するというものです。
運転員は、こうしたシナリオを事前に知らされていません。しかも、訓練に臨んだ10人のうち4人は運転未経験。ベテランがつきっきりで支えます。訓練装置では、運転中に発生する音や振動はありません。限られた環境で、経験者が運転感覚を取り戻すと同時に経験がない若手を育てなければなりません。

若い世代の「原子力離れ」も

原発の安全を担う人材の確保を巡っては、別の課題もあります。若い世代の「原子力離れ」が進んでいるのです。
文部科学省によりますと、電力会社など原子力の関連企業が開いている就職説明会の参加者を見ると、福島第一原発の事故の前の平成22年度は1900人余りなのに対し、23年度には500人を割り込み、その後も400人前後の状態が続いています。
中でも、かつては参加者の多数を占めていた電気や機械を学ぶ学生は、いずれも50人余りと、4年前と比べて6分の1から8分の1に激減しています。
さらに、電力会社の原子力部門に就職した学生を見ても、原子力以外の分野を専攻した学生の占める割合は今年度は70%余りと原発事故の前より20ポイントも減っています。
廃炉も含めた原発の安全のためには幅広い分野の専門性が必要で、こうした人材を長期的にどう確保するかは原子力業界全体の課題となっています。

「身の回りの目 気になり踏み切れず」

福島県いわき市福島工業高等専門学校の飯塚将太さん(22)は、福島第一原発廃炉の現場への投入を想定したロボットの研究を続けてきました。
しかし、就職先として原子力業界を選ぶことにはためらいがあるといいます。周囲の批判の声と、将来性についての不安感が拭えないからです。
飯塚さんは現場を自分の目で確かめようと、今月、原発事業者の日本原子力発電茨城県東海村で開いた見学会に参加しました。ここでは、定期検査で実際に使っている水中ロボットのほか、廃炉作業が進む原発でロボットが投入されている現場の様子も特別に見学しました。こうした見学会やセミナーは、原子力業界への就職を目指す若者を増やそうと、各地で開かれています。
飯塚さんは自分の力が発揮できる手応えを感じた一方で、「世の中の意見とか、身の回りの家族や親戚の目が気になっているのでなかなか踏み切れないところがある。現時点ではこの分野をやりたいとは決めてはいません」と話しています。
見学会を開いた日本原電の和佐尚浩さんは、「彼らが今後、原子力人材に結びつくかどうかは分かりませんが、こうした取り組みを続けることによって、原子力の継続した人材育成につなげたい」と話していました。

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