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規制委「伊方原発、新基準適合」 冬にも再稼働か

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原子力規制委員会は20日、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の安全対策が新規制基準に適合するとした「審査書案」を了承した。九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)に続いて3例目。意見募集をしたうえで正式決定する。残る認可などの手続きや、県と伊方町の同意をへて、今冬にも再稼働する可能性がある。

規制委は、2013年7月の四電の申請を受けて審査を開始。地震津波など自然災害への対応のほか、重大事故時の対策も妥当と判断し、新基準を満たすと認めた。審査書案は427ページ。21日から30日間、技術的な意見を募集し、7月にも「審査書」として決定して許可する。

 あわせて詳しい設計を記した工事計画や、運転や事故時の対応手順を定めた保安規定の認可手続きを進める。その後の設備検査にも3カ月はかかるとみられ、年内の再稼働は難しそうだ。対策工事も今秋までかかる見通し。四電はプルトニウムウランの混合酸化物(MOX)燃料を使う「プルサーマル発電」で再稼働する方針。

 審査では、原発の北約8キロを東西に走る国内最大規模の活断層中央構造線断層帯」による地震の想定が焦点だった。四電は申請時に断層の長さを54キロとしたが、規制委の指摘を受けて最長480キロの連動もふまえて再計算。最大級の揺れの想定「基準地震動」を570ガル(ガルは揺れの勢いを示す加速度の単位)から650ガルに引き上げた。

 想定を見直す過程で、事故時の拠点「緊急時対策所」の建物の強度が足りなくなり、四電は新施設の建設を余儀なくされた。配管などの耐震強化の工事も進めている。(川田俊男)

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 伊方原発の再稼働の可否について、愛媛県中村時広知事と伊方町の山下和彦町長は、これまで明確な態度を表明していない。一方で、中村知事は安定供給面やコスト面で代替エネルギーが見つかるまでは原発は必要とも繰り返し主張している。

 中村知事は今月14日の記者会見で「安全性や必要性について、国の考え方が示されれば、四国電力の取り組み姿勢や地元理解を踏まえて総合的に判断する」と述べ、「白紙」状態であることを強調した。

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■愛媛知事「審査が最終段階と認識」

 愛媛県中村時広知事は20日、「新規制基準に適合していると認められる、との審査書案が原子力規制委員会から示されたことは、審査が最終段階に進んだものと認識している。今後、規制委が最終判断に至った場合、その根拠などを含めて国から説明を受け、安全性を確認したい」との談話を発表した。

伊方町長「意見集約して判断」

 伊方町の山下和彦町長は20日、「再稼働に対する地元同意については、安全審査の正式決定を経て国から要請があったのち、町議会などの意見を集約して判断する。現時点で新たに申し上げる事項はない」とのコメントを出した。

四国電力「最善の努力尽くす」

 四国電力は20日、伊方原発3号機の「審査書案」が了承されたことを受け「今後とも原子力規制委員会による審査に真摯(しんし)に対応し、速やかに新規制基準に適合しているとの評価をいただけるよう最善の努力を尽くす」とのコメントを出した。